携帯電話の電磁波 脳腫瘍のリスク増大も WHO専門組織が調査
世界保健機関(WHO)の専門組織の国際がん研究機関(IARC)は31日、「携帯電話の電磁波が脳腫瘍を発症するリスクを増大させる可能性がある」とする調査結果を発表した。IARCはこれまでの調査では電磁波とがん発症について「因果関係は確認できない」との見解を示していたが、その可能性を初めて認めた。
14カ国、31人の専門家から成る研究グループが24〜31日に会合を開き、調査結果をまとめた。
全体として発症のリスクがどの程度増えるという数値は出していない。ただ、携帯電話を1日平均30分で10年以上使用した場合、脳腫瘍のリスクが40%増えるという調査結果も一部にはあるという。IARCは「携帯を頻繁かつ長期間使用する人に対する追加的な調査が必要」と指摘した。
対策として、頭部に携帯を近づけずに通話できるヘッドセットの使用のほか、通話ではなく携帯メールに切り替えることを勧めた。
ロイター通信によると、米国の携帯電話の業界団体である移動体通信・インターネット協会(CTIA)は「IARCの分析は携帯電話ががんを引き起こすことを意味しない」と反発。「新たな研究は何も行われていないのに、判断が変更された」と批判した。(ジュネーブ=藤田剛) 2011.06.01 日本経済新聞より。
風力発電 64か所で苦情 環境省全国調査「騒音で眠れない」 低周波音も検知
環境省は7日、全国の風力発電施設の騒音、低周波音の苦情に関するアンケート結果を発表した。全国389か所の風力発電施設のうち64か所で苦情が寄せられており、設置基数が多くなるほど苦情発生率が高いこともわかった。
アンケートは今年4月1日現在稼動中で、総出力20キロワット以上の施設が対象。施設が設置されている40都道府県、186事業者から回答を受けた。苦情などが報告された64か所のうち、調査時点で問題が解決されていないのは25か所だった。
このうち、施設から最も近い住居が300m以上400m未満の場合の苦情件数が8件と最多だった。
設置基数が10基以上の施設(58か所)では45%で苦情があり、定格出力が大きくなるほど苦情の発生割合も高く、1000キロワット以上(188か所)では、28%にあたる53施設で苦情があった。
愛知県田原市、愛媛県伊方町などでは、住民から「施設からの騒音で夜眠れない」などの苦情が寄せられており、同省が昨年、調査を実施。その結果、田原市では風車から350m離れた民家で、160〜200ヘルツの音が確認された。伊方町の風車の距離が210〜240mにある民家では31.5ヘルツの低周波音が検知されたという。 2010.10.08 読売新聞より。
「低周波音で被害」 トラブル増加 「眠れない」「頭が痛い」 法規制なく解決困難に
「低周波音で健康被害を受けた」として、風力発電施設や携帯電話の基地局などと近隣住民の間でトラブルが相次いでいる。環境省によると、2008年度に全国の自治体に寄せられた苦情は10年間で約5倍の236件に上り、09年度に総務省の公害等調整委員会(公調委)に申請された公害紛争処理は、08年度の0件から8件になった。低周波音には法規制がなく、健康被害との因果関係も不明なため、解決を難しくしている。
人間の聴力で知覚できる音は、20〜2万ヘルツなのに対し、低周波音はおおむね100ヘルツ以下。環境省によると、00年頃から家電製品や大型室外空調機、変電設備などの低周波音で「眠れない」「頭が痛い」といった苦情が増えている。
静岡県東伊豆町では、風力発電施設近くの住民11人が09年7月と11月、施設から発生する超低周波音で呼吸困難や鼻血などの健康被害を受けたとして、公調委に因果関係の判断を求める「原因裁定」を申請。風力発電会社側は「因果関係はない。低周波音の有無を含めて争う」と反論している。
申請者の一人、川澄透さん(79)は「裁判だと自分で因果関係を調べ、証拠として提出しなければならない。公調委なら国が専門的知見から調査してくれる」と申請理由を説明する。
過去、公調委に持ち込まれた紛争事件では、原因となる室外空調機などを撤去・移動する調停が成立したケース(05年11月、東京都荒川区)はあるが、健康被害との因果関係や損害賠償が認められたケースはない。
低周波音に詳しい岡田健・成蹊大非常勤講師は、「国は人体への影響を調査する研究者を増やし、企業は低周波音を抑えるよう機器の改良を進めるべきだ」と指摘している。 2010.07.29 読売新聞より。
化学物質の影響 追跡調査 子ども10万人、出生前から 環境省 15大学拠点に
環境省は2010年度から、10万人の子どもを対象に化学物質が健康に及ぼす影響に関する追跡調査を始める。2日、詳細を発表した。北海道大、東北大、千葉大など15の大学を地域拠点とし、周辺病院の協力も得て13歳になるまで健康状態などを定期的に調べる。
化学物質と発育との関係やアレルギー疾患、精神障害などとの関連を明らかにするのが狙い。
来年1月から参加者を募集・登録し、3年かけて10万人を募集。拠点大学には高知大、産業医科大、熊本大も含まれる。
追跡調査は妊婦の検診時から始め、妊婦の血液や尿を採取。出産時には濟帯(さいたい)血、出産後は母乳を採って成分などを分析する。子どもの毛髪や血液も定期的に調べるほか、質問票や面談で病気の有無を把握し、13歳になるまで追跡する。
さらに住空間の空気、チリなどに含まれる化学物質を調べ、身長、体重の伸びや、ぜんそくなど病気との関連性を調べる。自動車の排ガス、農薬、建材、たばこの煙に含まれる化学物質などにも注目している。 2010.04.03 日本経済新聞より。
風力発電から低周波音確認 環境省
環境省は30日までに風力発電施設からの騒音などで地域住民から苦情が出ていることを受けた調査結果を発表した。苦情の出ている家庭で、風力発電施設から発生する低周波音が初めて確認された。同省は騒音による健康被害を詳細に調べる考えだ。
今回調査したのは愛知県豊橋市と田原市、愛媛県伊方町の3地域。頭痛などを訴えている家庭の協力を得て、住宅内外の音と風力発電施設近辺の音を比べた。施設近くから出ていた160〜200ヘルツの低い音などが、施設から約350メートル離れた田原市、伊方町で確認された。豊橋市の家庭では測定されなかった。 2010.03.30 日本経済新聞より。
勤務先で溶剤吸引 化学物質過敏症に 後遺症、初の労災認定
勤務先で吸引した有機溶剤により化学物質過敏症となった神奈川県内の男性(40)が、同症が原因となった眼球運動の障害について、厚木労働基準監督署に労災認定されたことが16日わかった。厚生労働省によると、化学物質過敏症の後遺症が労災認定されるのは初めてとみられる。
同署によると、男性は電気設備会社に勤務し、2000年から取引先で半導体などの洗浄設備のメンテナンスに従事。02年には、作業で使った有機溶剤入りの接着剤が原因で頭痛やめまいなどの症状が表れた。
病院で調べたところ、中枢性眼球運動障害と判明。化学物質過敏の状態と診断されたという。
同署は昨年10月、男性の眼球運動障害に回復の見込みがないとして障害第11級と認定。一時金約350万円を支給した。 2010.02.17 日本経済新聞より。
ぜんそくの原因「粒子状物質」 米国並み基準案了承 環境審部会
排ガスなどに含まれ、ぜんそくなどの原因となる微小粒子状物質(PM2・5)に関して、中央環境審議会の大気環境部会は3日、環境基準の指針値として米国と同水準の年平均値が大気1立方メートル当たり15マイクロ(マイクロは100万分の1)グラム以下、日平均値が35マイクログラム以下とすべきだとの答申案を了承した。環境省は、審議会の答申を経て日本初となるPM2・5の環境基準を速やかに設定するとしている。
PM2・5は、直径2.5マイクロメーター以下の粒子。排ガスや工場の煙などに含まれるほか、大気中の光化学反応などで二次的に生成されるものもある。
答申案は「PM2・5の発生源は多岐にわたり、大気中の挙動も複雑だ」とした上で、「大気中の挙動や二次生成機構の解明など科学的知見の集積について、研究機関と連携を取りながら、関係事業者の協力を得つつ、実施する必要がある」としている。 2009.09.04 日本経済新聞より。
ぜんそくの原因 微小粒子状物質 米国並み環境基準設定 環境省、EUより厳しく
環境省は年内に、ぜんそくなどの原因となる微小粒子状物質(PM2.5)について、年平均で1立方メートルあたり15マイクロ(マイクロは100万分の1)グラム以下、1日平均で同35マイクログラム以下とする環境基準を設ける。2007年の大気汚染訴訟の和解を受け、専門家らによる検討を進めていた。健康被害を抑える狙いで、先行する欧米並みの基準とする。
26日に東京都内で開いた中央環境審議会(環境相の諮問機関)で了承を得た。同審議会が9月までに提言をまとめ、省内手続きなどを経て正式に基準として定める。
PM2.5は空気中に漂う2.5マイクロメートル以下の物質で、工場のばい煙や自動車の排出ガスなどに含まれる。粒子が小さく肺の奥深くに入りやすい特徴がある。環境省は昨年4月にまとめた報告書で「呼吸器だけでなく循環器や肺がんにも影響がある」としていた。
基準値はこうした健康調査の結果と、先行する欧米の基準に基づいた。 2009.06.27 日本経済新聞より。
「化学物質過敏症」 健保の適用対象に 10月、厚労省方針
微量の化学物質に反応して頭痛などの症状が表れる「化学物質過敏症」について、厚生労働省は12日までに、健康保険で医療機関が診療報酬を請求する際に使う保健病名として初めて認める方針を固めた。治療は健康保険の適応対象となり患者の負担額が少なくなる。10月1日付で改定する保健病名リストで採用される見込みという。化学物質過敏症の患者数は約70万人と推計されている。
保健病名リストは財団法人医療情報システム開発センター(東京)が医師など専門家の意見を基に改定案を検討、厚労省が最終的に認めることになっている。同省は「リストに病名がなければ保険適用できないわけではないが、リストに掲載された方が保健請求しやすい」(保険局医療課)と説明している。 2009.06.12 日本経済新聞より。
化学物質過敏症 北里大名誉教授が都内に専門外来
シックハウス症候群や化学物質過敏症治療の先駆けとして知られる北里研究所病院(東京都港区)の医師、宮田幹夫さん(73)=北里大名誉教授=が17日、東京・荻窪で専門外来「そよ風クリニック」を開業する。化学物質過敏症の成人患者は推計約70万人。しかし、専門外来がある国内9病院のうち、都内2病院は今年になって休診・縮小しており、宮田さんは「病院数が減っても患者は減っていない。体力の限り続ける」と話している。
化学物質を著しく少ない状態にした専門外来の診察室「クリーンルーム」を99年に設けた北里研究所病院は、今年3月から一般診察室での診療に切り替えた。東京労災病院(東京都大田区)も1月から新患受け入れを中止。東日本で重症患者が診察を受けられる施設はほとんどなくなった。設備維持費の負担が大きい割に、問診や検査で診察時間がかかり採算が合わないことや、原因が複合的で対応できる医師が少ないことが背景にある。
宮田さんは、マンションの一室を改造したクリニックに化学物質が極力出ない壁や床、空気清浄機をつけた「準クリーンルーム」を用意。微量の化学物質にも反応し体調を崩す患者の診察には不可欠との信念からだ。
北里研究所病院の勤務も続け、クリニックでの診察は1日8人まで。健康保険の適用はなく、1回1万5000円前後と安くはない。しかし、問い合わせは関東だけでなく大阪、宮崎、北海道などからある。泊まりがけの患者にも配慮し、月末の土日も開く。家賃や人件費などで採算はギリギリだ。
NPO法人「化学物質過敏症支援センター」(横浜市)によると、化学物質過敏症の相談件数は08年度約1450件で5年前の6割増という。広田しのぶ事務局長は「予約が半年待ちの病院もある。期待している患者は多い」と話す。 問い合わせは、そよ風クリニック(03・5335・5135)。【宍戸護、田村佳子】 2009.06.09 毎日新聞より。
アトピー性皮膚炎に新治療薬 免疫抑制剤シクロスポリン
免疫抑制剤のネオーラル(一般名シクロスポリン)の飲み薬が、重症のアトピー性皮膚炎の治療薬として10月、承認された。
シクロスポリンは、臓器移植の際の拒絶反応を抑えるのに使われる。アトピー性皮膚炎は、免疫の異常で起きるアレルギーの一つと考えられており、シクロスポリンは、免疫を抑制して、かゆみを抑える効果がある。対象は、従来のステロイドや免疫抑制剤の塗り薬では十分な効果がない、大人の重症患者に限られる。 2008.12.26 読売新聞より。
食物アレルギー 子供で18%増 米調査、10年前と比較
【ワシントン=共同】 米疾病対策センター(CDC)は22日、米国では昨年、約300万人の子供が食物アレルギーを発症、10年前に比べ割合が18%増えたとの全国調査結果を発表した。
CDCによると、食物アレルギーに対する親の意識が高まり、よく報告されるようになったのも一因とみられるが、増加の原因を突き止める研究が必要だとしている。
数字は、全米の約1万人の子供を対象にした調査を基に推計。それによると、2007年は18歳未満人口の3.9%に当たる約300万人が何らかの食物アレルギーを発症した。1997年は3.3%に相当する約230万人だった。
原因としては牛乳、卵、ナッツ類、魚類、大豆、小麦で発症全体の9割を占めるという。
食物アレルギーを発症した子供は、そうでない子供に比べ、アトピー性皮膚炎やぜんそくの発症が2-4倍多いという。 2008.10.23 日本経済新聞より。
磁気活水器 効果なし 有害物質減らず 生活センターがテスト
水道管や蛇口に磁石を取り付け、「水がまろやかになる」などの効果をうたう「磁気活水器」が売られているが、残留塩素や有害物質の除去・低減について、実際に効果はないことが20日、国民生活センターの商品テストで明らかになった。
磁気活水器の大半は、浄水器と違ってフィルターはなく、水には直接触れない。磁力で水の味を変えるとして、インターネットによる通信販売や、訪問販売などが行われている。
センターは、残留塩素や発がん性の疑いがあるトリハロメタンの除去・低減をPRしている6機種について、6〜7月に商品テストを実施。価格は2800円〜23万円と幅広いが、テストの結果、磁気活水器の取り付け前と後で、残留塩素やトリハロメタンの濃度に変化はなかった。
「除去や低減の効果はない」として、センターは業界団体に広告・表示の改善を要望。公正取引委員会にも、事業者に対して排除命令を出すよう求めた。 2008.08.21 読売新聞より。
掃除機の排気 ご注意 微粒子でアレルギーのおそれ
東京都が行った家庭用電気掃除機の商品テストで、機種によって0.3マイクロメートル(1マイクロメートルは1000分の1mm)以上の微粒子が、1リットルの排気中に約120万個含まれていることが分かった。健康被害を起こす可能性があり、都生活安全課は、部屋の十分な換気を呼びかけている。
同課は、国内6メーカーの6機種と海外2メーカーの2機種(約13,000円〜約84,000円)のテストを実施。日本工業規格(JIS)では、家庭用掃除機に関し、排気中の5マイクロメートル以上の粒子を測定することを規定している。ところが、アレルギーを引き起こす物質の粒子はさらに小さく、韓国では今年1月から0.3マイクロメートル以上の粒子を測定するようになった。
そこで同課では、テスト用のちりを掃除機に吸引させ、排気1リットル中に、0.3マイクロメートル以上の微粒子がどれだけ含まれているかを調べた。
「微粒子を捕集可能」と表示してある3機種では、165〜約10万個を測定。一方、そうした表示のない5機種は約12万〜約120万個の粒子を排出しており、機種により最大約7000倍の差があった。掃除機から排出される微粒子が建築物中の粉じんの量に関する国内基準の5000倍を超す機種もあった。微粒子は、呼吸時に気管を通り抜けて気管支や肺に達し、様々な健康への影響が懸念される。
また、微粒子を多く排出する掃除機を使った場合、換気をしても、排気された微粒子が室内を30〜60分程度浮遊していることも分かった。同課では「掃除機の使用後も窓を開けておくなど、換気を徹底してほしい」と話している。
今回のテスト結果を受け、都は、日本電機工業会に対して掃除機の排気中の微粒子を減らすよう要望。また、経済産業省に対しても、微粒子の排気に関する規格を現状より厳しくするよう求めた。 2008.07.18 読売新聞より。
アトピーの原因追跡 6万人対象 化学物質の影響探る
環境省は新年度から、日常生活の中で触れる化学物質が子どもの健康や発育に与える影響を、出生前から12歳ごろまで追跡調査する事業に乗り出す。対象者数は約6万人と国内では最大規模で、漠然と不安がられてきた化学物質の影響を明らかにするのが狙いだ。
調査では、妊婦の血液や出産時のさい帯血を採取し、ダイオキシンや有機フッ素化合物など、体内に蓄積されやすく胎盤を通りやすい化学物質の有無や量を分析する。
その後、数千人については、子どもの血液や毛髪の分析、家庭や地域環境の聞き取り、身体・精神面の発達のチェックなどを定期的に実施。残りの約5万人もアンケート調査を行う。
胎児や子どもは化学物質の影響を大人よりも受けやすく、奇形などの先天異常やアトピー、アレルギー、学習障害などの異常が、化学物質の影響と指摘されることも多い。だが、異常がわかってから過去にさかのぼって原因を特定することは難しいため、調査実施を決めた。
今後2年かけて詳細な内容を詰め、2010年度から調査を始める。 2008.03.22 読売新聞より。
全米24都市圏 水道に医薬品成分 抗生物質・精神安定剤など
【ワシントン=共同】 AP通信は9日、全米24の大都市圏で少なくとも4100万人が利用する飲用水道水から、抗生物質や精神安定剤など医薬品の成分が検出されていることが分かったと報じた。
検出量は微量で製薬業界は「健康への影響はほとんどない」と指摘。だが日々長期間にわたって口にするものだけに、環境保護局(EPA)の当局者はAPに対し「懸念が高まっていることは認識しており、深刻にとらえている」と述べた。
医薬品を摂取した際に、その成分は吸収された一部を除き体外に排出されて下水処理されるが、すべての成分は除去できず、自然界に蓄積。循環して再び飲用水として利用するための浄水処理でも除去できなかったという。
APによると、東部フィラデルフィアの水道水からは高コレステロールやぜんそくの治療薬など56の成分が見つかっており、西部サンフランシスコでは、ホルモン剤を検出したという。
米政府は水道水に含まれる医薬品成分の上限値を特に設定しておらず検査も義務付けていない。 2008.03.10 日本経済新聞より。
アレルギー原因物質 エビ・カニも追加 加工食品に表示義務
食品アレルギーの原因物質を含む加工食品の表示について、厚生労働省の薬事・食品衛生審議会表示部会は27日、表示を義務付ける物質として、新たにエビとカニを追加することを決めた。厚労省は5月から6月ごろ、食品衛生法施行規則を改正する方針。
食物アレルギーを引き起こす物質はこれまで、卵、乳、小麦、そば、落花生の5品目の表示が義務付けられていた。これ以外に大豆やサバ、バナナなど20品目の表示を推奨。エビとカニは推奨品目にとどめていた。
しかし、厚労省研究班(班長=海老沢元宏・国立病院機構相模原病院アレルギー性疾患研究部長)が2005年、食物アレルギー患者約2300人を対象とした調査で、重篤なショック症状を誘発した食物は、義務対象の5品目が上位5位を占めたほか、エビが6位、カニが13位と高かった。このため専門家がエビとカニにも表示を義務付ける必要性があると指摘していた。 2008.02.28 日本経済新聞より。
子供や妊婦の健康 電磁波影響調査を 米アカデミーが報告書
【ワシントン=共同】 米科学アカデミーは18日までに、パソコンでの無線通信や携帯電話の利用が急速に拡大する中、これらの機器が発する高周波電磁波が子供や妊婦の健康に及ぼす影響を研究する必要があるとする報告書をまとめた。
高周波電磁波による健康被害は、従来の研究で明確に確認はされてはいない。今回も具体的な被害を指摘したわけではないが、米食品医薬局(FDA)からの要請に基づき、未解明の健康影響について研究の在り方を示した。
報告書は、これまでは大人を対象に短期的な影響を調べた研究が多いとして、成長期からこうした機器の利用を始める現代の子供への長期的な影響や、機器の多様化で複数の電磁波を浴びた際の副作用を重点的に検証する必要があるとした。
また、引き出し式のアンテナを備える携帯電話だけでなく、内蔵式アンテナで、より頭に近い電磁波の発生源をもつ携帯電話が脳の神経伝達活動に与える影響、小児ガン、脳腫瘍(しゅよう)などを引き起こす可能性なども調べるべきだとした。 2008.01.19 日本経済新聞より。
化学物質 発育への影響は・・・子供10万人追跡調査 環境基準見直しも
ダイオキシンや水銀など身の回りの化学物質が子供の発育に与える影響を見極めるため、環境省は来年度から、約10万人について心身の発達ぶりを赤ちゃんから12歳前後まで毎年調べる、大規模調査に乗り出す方針を決めた。子供を対象にした国の本格的調査は初めて。調査データを途中で集計し、成人データを基に作られている現在の環境基準の見直しも検討する。調査方法の専門家検討会を5日に発足させる。
計画では、調査は09〜10年度に、年間出生数の1割弱に当たる全国10万人の妊婦を登録。喫煙など生活状況をアンケートし、採血してダイオキシンや水銀、鉛、有機フッ素化合物などの主な有毒化学物質の血中濃度を調べる。
また、出産時にさい帯血や赤ちゃんの血液を採り、先天異常などを調べるほか、12歳ごろまで年1回、身体や精神・神経の発達についてアンケートする。内数千人は小児科医が問診もする。来年度に予備調査に入る予定で3億円を概算要求している。
大学などの研究者が同じ子供たちを対象に、自宅や周辺の空気や水、食事など多様な環境影響について追加調査できるようなシステムも作る。米国も今年から、新生児10万人を21歳まで追跡する調査を始めており、比較調査も行う。
同省によると、胎児期から胎盤を通じて水銀などの有害物質影響を受けているほか、腸からの鉛の吸収率は1〜2歳児で成人の5倍。生後6カ月までは、脳に必要以外の物質が入るのを防ぐ「血液脳関門」の機能が不完全など、子供は化学物質に弱いとされている。調査では、先天異常やアトピー、発育障害などと化学物質の因果関係解明も目指す。 2007.10.05 毎日新聞より。
送電線の磁界 規制へ 経産省 国際基準と連動
送電線など電力設備の周りに生じる磁界について、経済産業省は規制を新設する方針を固めた。電力設備の電磁界について、同省は「健康との因果関係は明確になっていない」との立場を変えていない。だが、近く電磁界の環境保健基準をまとめる世界保健機構(WHO)などの動きにあわせ、規制を強化する。
6月から、総合資源エネルギー調査会(経産相の諮問機関)の電力安全小委員会に有識者、電力会社、消費者団体などが加わる作業部会を設け、具体的な規制対象や磁界の測定方法などを詰める。今秋までに報告書をまとめ、一般からも意見を募り、電気事業法の技術基準を改正する。
海外では、送電線の近くの住民の健康について「電磁界の強さと小児白血病に関連がある」との報告もある。各国の専門家で作る「国際非電離放射線防護委員会」は98年、健康への影響を防ぐため、居住環境での電磁界について国際的な基準を作成。WHOの下部組織「国際がん研究機関」は01年、電力設備や家電製品の周りの超低周波の磁界については「人間にとって発がん性があるかもしれない」としている。
同省は76年から送電線の電界を規制。簡単に立ち入れる場所では、送電線下の電界の強さが一定以下になるよう義務付けている。だが、磁界の規制はない。海外では、ドイツ、イタリアなどが電界、磁界とも規制している。日本で同様の規制をしても「既存の設備を大幅に改修する必要はないだろう」(同省)という。
電磁界をめぐっては、中国電力が鳥取市の自社ビル跡地で進めている変電所建設計画に対し、隣接する小学校の児童、保護者らが先月、中止を求める仮処分を鳥取地裁に申し立てるなど関心が高まっている。
<キーワード>電磁界:電界と磁界があわさったものが電磁界。電界(電気がある場所)は電圧がかかっている物の周りに、磁界(磁気のある場所)は電流や磁石の周りに発生する。テレビの場合、電源プラグが抜けていると、どちらも発生しないが、コンセントに差し込むとコードに電圧がかかり、電界が発生。スイッチを入れると電気が流れ、磁界も生じる。電磁波は電界と磁界が相互作用し、波になって空間を伝わる現象。 2007.04.26 朝日新聞より。
健康食品 スギ花粉に標示義務 厚労省方針 アレルギー対策で
スギ花粉を原料とした健康食品を食べた和歌山県の女性が2月、アレルギーを起こして一時意識不明になるトラブルがあったことを受け、厚生労働省は16日、スギ花粉が入ったすべての食品の包装にスギ花粉を含んでいるとの表示や、重いアレルギー症状への注意書きを記載するよう製造・販売業者に指導することを決めた。近く自治体や業界団体に通知する。
この健康食品について同省は「重篤なアレルギー症状を引き起こす恐れがある」とホームページで注意を呼び掛けていたが、ほかにもスギ花粉のエキスを原材料とした液体や錠剤、あめなど約10数種類の健康食品が、主にインターネットで販売されていることが判明。少量のスギ花粉を含んだあめなどへの対応が決まっていなかったことから、個々の商品に消費者に分かりやすい注意書きが必要と判断した。
原材料の表示とともに「スギ花粉症の方は、重篤なアレルギー症状を引き起こす可能性があるため注意すること」との表示を包装に記載するよう求めることを、同日開かれた専門家の調査会で決めた。
和歌山県のケースでは、山形市の「健森」が製造・販売したカプセル状の健康食品「パピラ」を飲んだ女性が意識不明になった。同社は「花粉症に効く」と宣伝していたため、山形県は薬事法違反として、同社に回収と販売停止を指導した。 2007.04.17 日本経済新聞より。
電気ストーブで化学物質過敏症 健康被害認め賠償命令 同型29万台流通
電気ストーブを使用したことで、化学物質によって頭痛や目まいなど様々な症状を起こす「化学物質過敏症」になったとして、東京都内に住む大学生の男性(22)と両親が、販売元のイトーヨーカ堂(本社・東京)に1億円の賠償を求めた訴訟の控訴審判決が31日、東京高裁であった。横山匡輝裁判長は、男性の症状はストーブから発生した化学物質によるものと認定した上で、「購入者に健康被害が生じないようにする義務があった」と述べ、請求を棄却した1審・東京地裁判決を取り消し、約550万円の支払を命じた。
判決によると、男性は2001年1月、都内の店舗でストーブを購入。使い始めてから約1か月半で、手足のしびれや顔のマヒが起きるようになった。ストーブは台湾メーカーが中国で製造した「ユーパ TSK-5302LG」だった。
判決は、「電気ストーブの部品に塗られた有機塗料が加熱され、中枢神経機能障害を引き起こすとされるホルムアルデヒドやアセトアルデヒドなど人体に有害な化学物質が発生し、男性の症状を引き起こした」と認定。さらに、同タイプのストーブに関し、「異臭がする」などの問合せが約2年半の間に68件、輸入会社にあったことを指摘し、「販売会社も安全性が確認されるまで、販売を中止するなどの措置をとるべき義務があった」と結論づけた。
原告代理人は「家電製品による健康被害を認定した画期的な判決」と話した。イトーヨーカ堂は、「商品の回収などは決まっていない。上告する方向で検討している」としている。 2006.9.1 読売新聞より。
乳幼児のぜんそく治療 電動吸入のステロイド認可
乳幼児のぜんそく治療のために、電動式ネブライザーを使って吸入できるステロイド剤が日本で初めて認可され、9月中にも保険適用される見通しとなった。
これまで、乳幼児のぜんそく患者のステロイド吸入は、筒状の補助器具を口に当て、その中に薬を霧吹きのように噴霧して、一定時間、子供に呼吸させる方法が一般的に行われてきた。ところが、乳児の場合、うまく呼吸ができず、いやがって暴れることも多い。そのため、きちんと薬を吸入できているのかどうかわからないという問題が指摘されてきた。
今回、認可を受けたステロイド剤「パルミコート吸入液」(アストラゼネカ杜)は、生後6か月以上5歳未満の乳幼児が対象。薬を霧状に噴き出す電動式ネブライザーという器械で使うために開発された。ネブライザーを使うと、赤ちゃんや幼児でも、従来の方法より安定した吸入がしやすい。
小児ぜんそくは、ここ数年、5歳未満の乳幼児の患者が増えているというデータがある。専門医による治療ガイドライン(指針)でも、乳幼児へのステロイド吸入が推奨されており、小さい子供に適した投与方法が求められていた。
2006.8.25 読売新聞より。
有毒ダイオキシン 家・職場、ほこりの中に 京大・愛媛大など研究
国内の家庭やオフィスのほこりの中に、臭素系のダイオキシンや有機スズ化合物などの有害化学物質を高度で含むものがあるとの研究結果を、京都大と愛媛大、国立環境研究所の共同研究グループが22日までにまとめた。
主要な摂取ルートと考えられている食品からのダイオキシン類の摂取量を上回り、主要な汚染源の一つになっている可能性があるという。
グループは昨年、茨城県や京都府などで、家のほこり19試料、オフィスのほこり14試料を集めて分析。すべての試料から臭素を含むダイオキシン類とトリブチルスズなどの有機スズ化合物を検出した。
検出した臭素系のダイオキシンの毒性を調べ、最も強いダイオキシンの毒性に換算すると、欧州の牛乳や魚、肉に含まれるダイオキシン類の毒性よりも2-5けたも大きかった。 2006.7.22 日本経済新聞より。
子供の3割が花粉症 ロート製薬がネット調査 4分の3は10歳未満で発症
ロート製薬は子供の30.2%が花粉症を発症していることがインターネット調査でわかったと発表した。大気汚染など生活環境の変化で、粘膜に外的影響を受けやすい低年齢層に花粉症が広がっており、対応が必要なことを裏付けた。
調査は3月8-14日と24-28日に実施、インターネット上のアンケートに回答してもらった。16歳未満の子供を持つ親が対象で、8505人の回答を得た。
子供が花粉症だと思うか聞いたところ、30.2%が花粉症か、花粉症と通年性アレルギー性鼻炎の両方を併発と回答した。花粉症の子供のうち75.1%が10歳未満で花粉症になったと親が実感しており、このうちゼロ歳で親が実感する子供も7.1%見受けられた。子供が花粉症の親の84.1%が花粉症を発症していることもわかった。 2006.4.19 日経産業新聞より。
高濃度トリハロメタン 家庭空間にも浮遊
水道水に含まれ、発がん性が疑われているクロロホルムなど揮発性の塩素系有機化合物が、台所や浴室など家庭の居住空間にも高濃度で存在していることが、国立医薬品食品衛生研究所などの研究でわかった。28日から仙台市で開かれる日本薬学会で発表する。
この物質はトリハロメタンと総称される4種の化合物。浄水場で殺菌に使う塩素と有機物が反応してでき、除去が難しい。
同研究所の神野透人室長は、伊藤禎彦京大大学院教授らと共同で、12世帯を対象に、各部屋の空気や水道水、シャワー水、浴槽水のトリハロメタン濃度を調べた。そのうえで、各人がそれぞれの場所で遇ごす時間から、肺や皮膚から吸収される量を計算した。
家庭の空気中のトリハロメタン濃度は、水の使用が多い台所は居間の約2倍、浴室では30倍以上だった。成人が、呼吸や、シャワー・浴槽の水から皮膚を通じて1日に摂取するトリハロメタンを計算すると、水2リットルに含まれる量とほぼ同じだった。2リットルは成人が1日に飲む水の量に相当する。健康影響が出る濃度ではないが、換気の徹底などが求められるレベルという。 2006.3.23 読売新聞より。
電磁波対策、初の国際基準 科学的解明待たず WHOが原案 健康被害を予防
送電線や家電製品などから放出される電磁波が健康に与える影響を調べている世界保健機関(WHO)は、電磁波対策の必要性や具体策を明記した「環境保健基準」の原案をまとめた。電磁波に関する初の本格的国際基準で、WHO本部は「今秋にも公表し、加盟各国に勧告する」としている。日本政府は電磁波について「健康被害との因果関係が認められない」としているが、基準公表を受け、関係各省で対応を協議する。
原案は、電磁波による健康被害の有無は「現時点では断言できない」としながらも、発がん性について「(30センチ離れたテレビから受ける最大電磁波の5分の1程度にあたる)0.3〜0.4μT(マイクロ・テスラ)以上の電磁波に常時さらされ続ける環境にいると、小児白血病の発症率が2倍になる」とする米国や日本などの研究者の調査結果を引用。科学的証明を待たず被害防止策を進める「予防原則」の考え方に立ち、対策先行への転換を促す。
具体的な数値基準については、各国の専門家で作る「国際非電離放射線防護委員会」(本部・ドイツ)が1998年に策定した指針(制限値=周波数50ヘルツで100μT以下、同60ヘルツで83μT以下)を「採用すべき」とし、強制力はないものの、日本など制限値を設けていない国に、この指針を採用するよう勧告する。
また、各国の事情に応じ、送電線などを建設する際の産業界、市民との協議を求める。対策例として、送配電線の地下化や遮へい設備の設置などを挙げている。
政府は、WHOの基準公表後、環境、経済産業省など関係6省による連絡会議を開催する方針。「費用対効果を勘案し、有効な予防策を考えたい」(環境省環境安全課)としている。
電磁波研究に携わっている財団法人・電気安全環境研究所(東京都渋谷区)は「電力会社や家電メーカーも対応を考えざるを得ない。電磁波防護の費用が価格に跳ね返る可能性もあり、消費者に十分説明して理解を求める必要がある」と指摘している。
90年代以降、欧米の疫学調査で「送電線付近の住民に小児白血病が増える」などの報告が相次いだことから、WHOは96年、「国際電磁界プロジェクト」をスタート。日本を含む約60か国の研究者らが影響を調査している。 2006.1.12 読売新聞より。
アレルギー:母親の食事が子に影響 成育医療センター調査
授乳中の母親が卵や牛乳を多く摂取するほど子供に卵・牛乳アレルギーが少なく、アトピー性皮膚炎は、揚げ物など油脂を多く含む食品を多く食べた母親の子供ほど少ないことが、国立成育医療センター研究所(東京都世田谷区)の疫学調査で分かった。盛岡市で開催中の日本アレルギー学会で22日に発表する。
同研究所の松本健治・アレルギー研究室長らは1月、広島市内の小学2年生全員の保護者にアンケートし、9975人(有効回答率89.4%)から回答を得た。うち、粉ミルクなどを飲まず母乳だけで育った子供約3600人について、授乳中の母親の食事と、子供のアレルギー発症歴の関係を調べた。
授乳中に母親が卵を食べていなかった子は74人で、約26%(19人)に卵アレルギーと診断された経験があった。一方、卵を食べていた母親の子3528人のうち、卵アレルギー歴のある子は、7.4%(262人)で約4分の1にとどまった。しかも「たまに食べた」母の子の率が約10%だったのに「毎日食べた」母親の子は約5%で多く食べるほど率が下がっていた。
牛乳アレルギーでは、授乳中に牛乳を飲んでいた母の子の発症経験率は約2%で、飲まない母の子の半分以下だった。
アトピー性皮膚炎については、揚げ物、スナック類、ファストフードを、どれも授乳中に全く食べなかった母の子の発症経験率が約25%だったのに、少しでも食べていた母の子は、約18%にとどまった。
一部の医師は、子供のアレルギー防止として、母親に卵や牛乳などを避けるよう指導している。今回はこの考え方と対立する結果となった。
松本室長は「卵や牛乳のたんぱく質が母乳を通じて子供の体内に入り、体が慣れてアレルギーを起こしにくくなったのだろう。揚げ物などについては、多く食べることを勧めはしないが、母親が食事を制限しても子供のアレルギー予防にはなりにくいとみられる」と話している。 2005.10.22 毎日新聞より。
目の痛みや頭痛の症状 新築住宅の1% シックハウス厚労省研究班
新築住宅に住む世帯の1%程度は家族が目の痛みや頭痛といったシックハウス症候群の症状を訴え、カビが生えるなど室内の湿度環境が悪いほど発症リスクが高いことが25日、厚生労働省研究班の調査で分かった。
謎の多いシックハウス症候群について、発症率や住居環境との関係を全国規模で総合的に調べたのは初めて。研究班主任の岸玲子・北海道大大学院教授は「カビの発生や結露でアレルギーの原因物質が増えたり、建材が変化して化学物質が溶け出したりするのではないか。適切な湿度管理で症状が改善する可能性がある」としている。
調査は2003年11月ー2004年6月に札幌、福島、名古屋、大阪、岡山、北九州の6市で実施。新築や改築から6年以内の一戸建てに住んでいる約2300世帯から回答を得た。
調査では、目鼻のかゆみや痛み、頭痛などの症状がいつもあり、家を離れると改善する場合を「シックハウス症状」と定義。家族に一人でも症状のある世帯は2.0%で、症状が時々ある場合も含めた「広義の症状」では4.3%が該当した。
地域別では、広義の症状の発症率は札幌5.2%、福島3.0%、名古屋と大阪は各5.0%、岡山4.7%、北九州2.8%。研究班は回答しなかった世帯に有症者がいない可能性を考慮、全国の発症率を「0.8-1.8%」と推計した。
住居の湿度に関する質問では、「結露が発生したこどがある」との回答のほか「カビの発生」「カビ臭さ」といった項目に
該当する数が多いほど発症例が多かった。 2005.7.25 日本経済新聞より。
第3世代携帯、基地局が急増 住民とトラブル多発 国に設置規制要望へ
◇「健康被害」
動画のやり取りも可能な第3世代携帯電話(3G)の基地局急増に伴い、住民と携帯電話会社間のトラブルが全国で少なくとも200件以上起きていることが、市民団体「電磁波問題市民研究会」(事務局・千葉県船橋市)の調べで分かった。基地局から放射される3Gのマイクロ波(電磁波の一種)は人体への影響がより強いとの研究報告があり、住民が健康被害を訴えるケースも出ている。このため国に設置規制などを求めようと、京都弁護士会は今月中にも、日本弁護士連合会に要望書を提出する。
総務省移動通信課によると、基地局は全国に8万5792局(昨年12月現在)ある。設置に関する国の規制はなく、盛岡市など一部自治体が条例などで規制しているが、無秩序に増え続けているのが現状。
同研究会によると、トラブルは全国42都道府県に広がっており、3Gが普及し始めた02年ごろから急増。熊本市では住民が基地局の撤去を求め、携帯電話会社を提訴(住民側敗訴。控訴審で係争中)。東京都練馬区では、マンション屋上への設置を巡り、住民らが約8600人の署名と陳情書を区議会に提出した。着工時にはもみ合いになる騒ぎになった。
基地局のマイクロ波について、同省は「環境健康基準値内で人体への問題はない」としている。しかし、長期被ばくの十分な研究データがないうえ、フランスやオランダなどでは人体への影響を示す研究が報告され、世界保健機関(WHO)も08年ごろをめどに新基準値を発表する予定だ。
電磁波を巡っては、これまで家電製品や送電線なども問題になった。電磁波問題に取り組む弁護士を中心に、京都弁護士会がプロジェクトチームを結成。基地局の設置場所規制や住民への説明会を義務付けるなどの措置を国に提言するよう求める要望書を日本弁護士連合会に提出する。同プロジェクト座長の山崎浩一弁護士は「安全性の検証が追いついていない現段階では、基地局の設置場所については慎重な姿勢を取るべきだ」と話している。
◇携帯電話基地局
携帯電話から出るマイクロ波を受信、中継する役割を果たし、数キロの範囲をカバー。携帯電話端末と定期的に交信するため、基地局自身もマイクロ波を発信している。郊外や住宅地では高さ30〜50メートルの電波鉄塔型、都市部ではビル屋上に設置される型が多い。形状は第2世代までと同じだが、放射される周波数は、第1、第2世代が0・8ギガヘルツ帯と1・5ギガヘルツ帯だったのに対し、3Gは2・0ギガヘルツ帯と、より強力になった。
◇「頭の中で24時間エンジン音響く」
「エンジンのような低音が頭の中で24時間響きまともに眠れない」。仙台市太白区の元会社員の男性(60)は、携帯電話基地局が稼働した後に始まった自覚症状に、やり場のない怒りをぶつける。 この男性の自宅から約100メートル離れた場所に、02年と04年、2社が鉄塔2基(高さ約30メートルと40メートル)を相次いで建設。半年ほどして違和感を感じ始め、さらに数カ月後、"エンジン音"が止まらない状態になった。病院の検査では、異常なしと診断されたという。
だが男性は「基地局から離れると、音は次第におさまる。自宅とは別の場所で音が聞こえた場合、近くに必ず基地局がある」と主張。調査したところ、約10人が体調不良を訴え、 男性と同様の"エンジン音"に悩む住民もいたという。 2005.3.27 毎日新聞より。
「減感作療法」効果15年以上 小児の花粉症76%「改善」 厚労省が調査
スギ花粉のエキスを薄めて注射し続ける「減感作療法」を受けた小児患者の約76%は、治療から15年以上たっても花粉症の症状の改善や消失がみられることが、厚生労働省研究班の調査で9日、分かった。
主任研究者の岡本美孝・千葉大教授によると、治療2-3年後の改善率は70-80%とされており、効果が長続きすることを裏付けた。
小児の花粉症発症率は増加傾向にあり、小学校では約10%とされる。岡本教授は「小児は抗アレルギー薬などの対症療法で改善することは少なく、減感作療法の治療効果は高い」としている。
研究班は千葉大病院で1970-90年に受診した患者に、現状を質問。減感作療法を2年以上受けた約200人と、対症療法などを受けた約90人が回答した。
治療開始時に16歳以下だった患者では、減感作療法を受けた17人のうち「症状消失」「大きく改善」「改善」の合計が約76%を占めた。対症療法などの22人では「消失」や「大きく改善」はなく、「不変」が約64%、「改善」と「悪化」が約18%ずつだった。
減感作療法でも、17-40歳の改善率は約60%と小児より低かった。
千葉大は昨年、注射用より濃度の高いエキスを舌の裏側に投与する舌下減感作療法の小児での研究を開始。岡本教授は「欧州では既に行われているほか、国内での成人での研究でも副作用は出ていない」として、実用化を目指している。 2005.3.9 日本経済新聞より。
「シック・カー」ストップ 揮発性有機化合物 室内の濃度低減へ 07年度新車から
日本自動車工業会は14日、頭痛やめまいが起きる化学物質過敏症「シックハウス症候群」の一因とされるホルムアルデヒドやトルエンなどの揮発性有機化合物(VOC)について、自動車内の濃度を低減する取り組みを始めると発表した。VOCの車内濃度などに一定の基準を設け、07年度から国内で生産、販売する新型乗用車に適用。08年度以降はトラックなど商用車にも取り組みを広げる。自動車業界が一体となってVOC低減に取り組む「シック・カー」対策は世界初という。
VOCは、新築や改装直後の住宅、ビルなどで鼻やのどに刺激を感じる体調不良を引き起こすシックハウス症候群の原因物質。厚生労働省が13物質について室内濃度の指針値を定めて、低減活動を進めている。
自動車でもシートやダッシュボード、内張りなどに使用される接着剤などが原因で「不快に感じた」というユーザーの声が自工会に寄せられている。このため、自工会は接着剤や塗料に含まれる溶剤の水性化などを推進して、車内のVOC濃度が厚労省の指針を下回る濃度になるよう業界全体で目指すことにした。
具体的には、「車室内VOC試験方法」を策定。ドア、窓を密閉した車内でホルムアルデヒドの濃度を測定するほか、トルエンはエアコンを作動させた状態での濃度を測定するなど統一の指針を設けた。トラックについては、商用車用の基準を今年度中にまとめて08年度以降からの適用を目指す。 2005.2.15 毎日新聞より。
花粉症対策で検討会を発足 総合科学技術会議
総合科学技術会議が花粉症対策に乗り出すことになった。文部科学省や厚生労働省など関連省庁を集めた花粉症対策検討会を発足させ、長期的な花粉症対策を支援する。
免疫研究の専門家である総合科学技術会議の岸本忠三議員が担当。厚生労働省、農林水産省、環境省、気象庁、理化学研究所などが参加した。
免疫療法や遺伝子組み換えによる花粉症緩和米、無花粉のスギの開発状況などが報告された。岸本議員は「短期的な対策としては花粉飛散量の予報などを充実し、中長期的には新たな治療方法の開発と治験を急ぐことになる」と話している。 2005.2.7 日経産業新聞より。
アレルギー情報 厚労省HPに特集 花粉症など警戒呼びかけ
花粉症やアトピー性皮膚炎といった免疫アレルギー性疾患の正しい情報を知ってもらおうと、厚生労働省は17日、同省ホームページ(HP)内に「リウマチ・アレルギー情報」のページを開設した。
今年の猛暑の影響でスギやヒノキの花粉飛散量が多いと予想されている来春に備えて、まず花粉症を特集。関連学会の認定した専門医のリストや治療法のほか、情報が氾濫している民間療法の効果と問題点なども解説している。
また、来春の飛散量予測や治療法などを掲載。「例年症状の強い人は早めに受診を」と呼びかけた。
また根治的な治療法がないために試す人が多い、健康食品やお茶などを使った民間療法について、多くが科学的検証はされていないと警告。体験者のうち「効果あり」と実感していた人は半分以下だったとのアンケート結果を紹介している。
ほかに掲載した情報は、各疾患の治療ガイドラインや研究成果、関連学会の情報など。同省HPのアドレスは http://www.mhlw.go.jp/ 2004.12.18 日本経済新聞より。
*厚生労働省「リウマチ・アレルギー情報」のページ
http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/kenkou/ryumachi/
小児の食物アレルギー 自己注射の使用望む保護者8割
食物が原因で起きる小児のアレルギーのうち、急速に悪化し死亡することもある「アナフィラキシー」で、症状を緩和するエピネフリン(アドレナリン)の自己注射が解禁されれば使いたいとする意見が8割を占めることが、日本小児アレルギー学会が実施した保護者アンケートで分かった。
アナフィラキシーでは発症から30分以内の注射が必要とされるが、治療を受けるまで平均で約30分かかっていた。
国内では自己注射はハチ毒アレルギーでしか認めておらず、調査した同愛記念病院(東京都)の向山徳子・小児科部長は「自己注射の導入が必要」と指摘している。
調査は1-4月に117入を対象に実施。原因食物は牛乳や乳製品、卵、小麦が多<、食べてから発症までは平均約19分。「自分で病院まで行った」(72%)と「救急車で指定病院に行った」(31%)に分かれたが、発症から治療までにそれぞれ約31分と約27分かかった。 2004.12.5 日本経済新聞より。
食物アレルギー ワクチンで症状軽減 米大学 犬使った実験で確認
【ワシントン=共同】 ピーナツや牛乳などの食物アレルギー症状をワクチンで大幅に軽減できることを、米スタンフォード大などの研究チームが犬を使った実験で26日までに確かめた。食物アレルギーは日本でも増加傾向で、死に至ることもある。有効な治療法がなく、ワクチンの人間への応用が期待される。
同大小児科のデール・ウメツ教授らが開発したのは、ピーナツなどに含まれるアレルギーの原因成分に、加熱して無害化したリステリアという細菌を加えたワクチン。
ピーナツ一粒で皮膚に強いアレルギー反応が出た犬4匹に注射すると、3匹は40粒近く食べても症状が出なくなり、効果は2カ月以上続いた。牛乳への反応をみた別の3匹でも下痢やおう吐が大幅に軽減した。人間に近い症状が再現できる犬で食物アレルギーが抑えられたのは初めてという。
アレルギーの増加については、環境が衛生的になり、細菌感染などが減って免疫状態が変わったためとする仮説がある。今回のワクチンはこの仮説に基づき、10年ほど前まで食中毒の主な原因のひとつだったリステリア菌を使った。
2004.11.27 日本経済新聞より。
環境省 「低周波音」 問題対応の手引書を作成 指針も
この度、環境省では低周波音問題対応の手引書を作成した。これは、(社)日本騒音制御工学会に設置された「低周波音対策検討委員会」(委員長:時田保夫(財)小林理学研究所)における検討結果を取りまとめたものであり、その骨子は以下のとおりである。
[1]手引書の内容は、低周波音問題対応のための「手引」(以下 手引)、低周波音問題対応のための「評価指針」(以下 指針)、低周波音問題対応のための「評価指針の解説」(以下 解説)の3部構成とした。
[2]「手引」では、苦情申し立ての受付から、申し立て内容の聞き取り調査、測定、評価、対策検討までのそれぞれの段階における留意点などをまとめた。
[3]「指針」は、最新の科学的知見や聴感特性実験の結果をもとに、低周波音の状況を的確に判断するための目安となる値を参照値*として、物的苦情と心身に係る苦情に分けて示した。
*参照値:判断の目安値として適用するものであり、対策の目標値ではない。対策に当たっては、技術的可能性等総合的検討が必要である。
[4]「解説」では、「指針」の内容について解説を加え、低周波音に関してより深い理解を得ることを目的として示した。
低周波音についてはその感じ方に個人差が大きく、参照値を示すだけでは苦情解決が難しいこと、低周波音問題に従事している地方公共団体において低周波音に関する情報が不足していることを踏まえ、「低周波音問題対応の手引書」として取りまとめた。
また、問題対応にあたっては判断の基準となる値が求められていることから、苦情申立者を含む被験者による聴感特性実験を実施し、低周波音影響の可能性を判断する目安の参照値を示した。ただし、参照値以下であっても低周波音を知覚する可能性があるので、個人の聴感特性を考慮し対応することが極めて重要である。そのような場合、詳細な調査には専門的な知識を必要とすることから、地方公共団体職員への講習会を実施するとともに専門家の協力体制のあり方について、今後の課題として検討を行っていく予定である。 2004.6.22 環境省報道発表資料(http://www.env.go.jp/press/press.php3?serial=5046)より。
*参考 「低周波音の測定方法に関するマニュアル(平成12年10月) 」
http://www.env.go.jp/air/teishuha/manual/index.html
アレルギー表示奨励食品 バナナ追加決定 合同会議、ゴマは調査継続
アレルギーの原因物質を含む加工食品の表示制度を見直している厚生労働、農水両省の合同有識者会議が23日開かれ、表示を奨励する品目にバナナを新たに追加することを決めた。患者が安心して食べられる食品を見分けやすくするため「特定アレルギー食品を使っていません」と使用を否定する表示も勧めることにした。
合同会議は最近の食物アレルギーの全国調査などでショック症状の報告が多かったバナナ、ゴマを表示奨励品目にするかどうかを検討。ゴマは調査によって症例数にばらつきがあるため、ほかに症例数が多かったカカオ、メロン、マグロなどとともにさらに被害実態を調べることにした。
厚労省は食品衛生法の省令などで、卵、乳、小麦、そば、落花生の5品目の表示を義務付け、イクラ、エビなど19品目は表示を奨励している。
原材料表示はすべて同 じ色、大きさの文字と定めているが、アレルギーの原因物質だけ文字の大きさや色を変えたり、欄外に別記するなどの方法も認める方針。
表示対象のアレルギー原因食品は次の通り。
【表示義務】卵、乳、小麦、そば、落花生
【表示奨励】アワビ、イカ、イクラ、エビ、オレンジ、カニ、キウイフルーツ、牛肉、クルミ、サケ、サバ、大豆、鶏肉、豚肉、マツタケ、桃、山芋、リンゴ、ゼラチン、バナナ(このほか「特定アレルギー食品を使っていません」の表示も) 2004.6.23 日本経済新聞より。
アトビー治療で医師の過失認める 東京地裁判決
ステロイドを使わない治療法でアトピー性皮膚炎が悪化したとして、東京都内の女児(8)と両親が、東京都練馬区の医院「藤沢皮膚科」を運営する医療法人社団「アップル会」と院長に対し、計約1150万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が16日、東東地裁であった。片山良広裁判長は、「院長が使用した消毒液や塗り薬は皮膚に刺激やかゆみを与えるもので、アトピー治療の目的に反し、症状を悪化させた」と述べ、計約640万円の支払いを命じた。アトピービジネス弁護団によると、「脱ステロイド療法」について医師の過失を認めた判決は初めて。
判決によると、女児は1999年、別の病院でアトピー性皮膚炎と診断され、2000年4月から藤沢皮膚科に通院。ステロイドを使わず、別の塗り薬などを使う治療を約3か月間続けたが、全身に湿疹が広がり、約三分の二の頭髪が抜け落ちたり高熱が出たりした。
院長には、アトピー治療の著書がある。同会は「判決は残念だが、内容が分からずコメントできない」としている。
2004.6.17 読売新聞より。
アレルギー3人に1人 厚労省調査 かゆみ、ぜんそくなど
国民の3人に1人が、皮膚や目鼻のかゆみ、ぜんそくなどの「アレルギー様症状」を訴えていることが、厚生労働省の保健福祉動向調査で分かった。
調査は、全国300地区の計約4万人を無作為に抽出して実施し、88.7%から回答を得た。昨年6月までの1年間に▽皮膚のただれやかゆみがある▽呼吸が苦しくなったり、せき込んだりする▽目のかゆみや充血、くしゃみなどが出るなどのアレルギー様症状があった人は全体の35.9%に上った。
年齢層別では、男性は5-9歳で45.8%、女性は35-44歳で44.6%と半数近くに症状があり、すべての年齢層で、地方より都市部の方が症状を訴える人が多かった。
また、日常生活への影響として「不眠」をあげたのは、呼吸器の症状がある人で53.4%、目鼻の症状がある人で3.1%。「仕事や家事、学業に集中できない」と答えた人も、目鼻の症状がある人で37.2%、呼吸器の症状がある人で23.8%にのぽった。 2004.6.4 読売新聞より。
フローリングでも油断は禁物! 基準の20倍ものダニのフン 掃除機の排気が影響か?
床が板張り(フローリング)の部屋の多くは、アレルギーの原因となるダニのフンが、基準値の20倍も落ちていることが分かった。フローリングではダニはすみ着けないと思いがちだが、日赤和歌山医療センターと家庭用品メーカー花王の調査で、こうした意外な実態が判明した。12日から開かれる日本アレルギー学会で発表する。
ぜんそくなどのアレルゲンは、ダニのフンや死がいなどに含まれる、たんぱく質だが、大半がフンのたんぱく質とされる。厚生労働省は指針でこのたんぱく質の量を、フローリングの部屋1平方メートル当たり5ナノ・グラム(ナノは10億分の1)以下にするよう求めている。
調査は、都内のマンションや一戸建ての計12戸が対象。フローリングの部屋から採取したほこりを分析すると、たんぱく質の量が、すべての家庭で厚労省指針を上回り、最大で20倍もの量が検出された。
それぞれの家庭でフローリングの床を掃除機で掃除し、2時間後に調べても、たんぱく質の量が指針の基準値を依然上回っていた。フローリングのほこりは舞い上がりやすく、掃除機の排気が影響したとみられる。一方、ぬれた布でのふき掃除では、95%以上のたんぱく質が除去できた。
畳とカーペットでは予想通り多く、数1000−10000ナノ・グラム。いずれもぽこりがフローリングよりも舞い上がりにくいため、墓準値は畳で100ナノ・グラム以下、カーペットで1000ナノ・グラム以下となっている。 2004.5.3 読売新聞より。
「KW乳酸菌」にアトピー緩和効果
キリンビールは29日、昭和女子大などと共同開発した「KW乳酸菌」に、アトピー性皮膚炎の症状を和らげる効果が見つかったとする研究報告を発表した。マウスを使った実験で判明、30日の日本農芸化学会で発表する。健康食品の中で、アトピーへの効能が証明された例は珍しいとしている。
実験ではマウスの耳や頭にアトピー性皮膚炎を誘発する薬品を塗り、KW乳酸菌を毎日食べさせたマウスと食べさせないマウスを約2か月間飼育して観察した。乳酸菌を食べさせたマウスには、ほとんど症状が見られなかったとしている。2004.3.30 日本経済新聞より。
シックハウス対策 検査項目2物質追加 学校基準を文科省改定
文部科学省は10日、シックハウス症候群の防止策として接着剤のエチルベンゼンや、合成樹脂の原料のスチレンの教室内の濃度を検査項目に加えるよう「学校環境衛生基準」を改定した。新基準は教室や黒板の照度を百貨店の売り場程度にすることなども求めている。4月1日から適用する。現行基準となった1992年から10年以上が経遇しているための見直し。
シックハウス症候群は、住宅建材などから放たれる化学物質で頭痛や吐き気などが起きる症状。現行基準は、ホルムアルデヒドやトルエンなど4種類の教室内の濃度を検査していた。新基準は、マウスやラットの実験で肝臓や腎臓への影響が指摘されている接着剤のエチルベンゼン、脳や肝臓への影響の恐れがある合成樹脂の原料のスチレンの2物質についても検査項目に加えた。 2004.2.11 日本経済新聞より。
化学物質の動植物への影響調査 環境省来年度から製造・輸入禁止も
環境省は来年度から、化学物質が動植物に与える影響の調査に乗り出すことを決めた。人の健康を害する化学物質の規制を目的としてきた化学物質審査規制法が、生態系への影響も審査するよう改正されたのを受けての対応で、政府が、生き物の生存を脅かす化学物質の法規制に向けて動き出したと言えそうだ。
今年5月の同法改正によって、来年4月以降に製造・輸入される化学物質は、業者が動植物にも害を及ぼすかどうか毒性調査を行い、同省などがこれを審査し、規制を検討する。
ただ、すでに審査済みの化学物質については、業者に再調査の義務は課せられないため、同省が独自に調査ずることにした。1997年以降の審査で、生態系への影響の恐れがあるにもかかわらず、人体への害が認められず規制対象にならなかった化学物質は、20種類に上るという。
同省は来年度、このように動植物への影響が予想される約50の化学物質を選ぴ、ミジンコやメダカ、藻類を使つて毒性を詳細に調査する。毒性が認められた場合は、その程度によって、製造・輸入の禁止や数量制限を段階的に行う。調査費として、来年度予算に約2億円を概算要求する。
⇒<化学物質審査規正法>ポリ塩化ビフェニール(PCB)によるカネミ油症事件を契機に1973年制定された。新たに製造・輸入する化学物質の有害性を審査し、規制する。この法に基づき、PCBなど13物質が使用禁止となり、23物質に数量届け出義務が課されている。昨年、経済協力開発機構(OECD)から生態系保全も規制に含めるよう勧告された。 2003.8.9 読売新聞より。
短時間で食物アレルギー発症者の1割がショック症状 厚生労働省全国調査
食べ物が原因で一時問以内にじんましんなどの症状を起こす「即時型食物アレールギー」で医療機関に受診する患者の8割近くが6歳以下の乳幼児で、大人も含めた患者の10人に1人が命にかかわるショック症状に陥ることが28日、厚生労働管研究班の全国調査で明らかになった。
大規模な臨床調査は初めて。乳幼児の原因食品のトップは卵、成人になると小麦、果物、魚が上位を占め、年代ごとの違いが顕著に現れた。厚労省は、調査結果を基に食品衛生法に基づく表示対象品目を再検討する。
調査の中心となった今井孝成昭和大講師(小児科)は「専門医でないと食ぺ物が原因と気付かない場合があり、診断、治療態勢の整備が必要」と話している。
調査は2001-02年にかけ、専門医ら約2000人を通じて全都道府県から集めた3840人分の症例を分析した。
年代別ではゼロ歳児が最も多い1259人(32.8%)で、6歳以下が全体の77.7%を占めた。年齢が上がるにつれて患者数は減るが、これまでごく少ないとみられていた20歳以上の発症者も364人(9.5%)いた。
原因食品の上位は、卵38.3%、乳製品15.9%、小麦8.0%の順。これらの割合は年齢が上がると減り、20歳以上では小麦、果物、魚、エビ、そばが上位に並んだ。果物ではキウイフルーツやバナナ、魚はサバ、サケなどが多かった。症状は、じんましんなどの皮膚症状が88.7%と最も多く、ほかはぜんそく、唇のはれ、下痢など。死者はいなかったが、意識障害などを伴うショック症状が出た人が418人(10.9%)いた。
⇒<即時型食物アレルギー>食べ物に含まれるタンパク質が原因で、食べてから短時間にじんましん、呼吸困難などの症状が出るアレルギー反応。半日から1日後に、主に皮膚症状がゆっくりと現れる「遅延型」と区別される。即時型は症状が重く、意識障害、血圧低下を伴うショック状態に陥ることがあり、国内では、そばアレルギーによる死者が複数報告されている。 2003.6.29 日本経済新聞より。
ディーゼル排ガス 「花粉症に悪影響」 東京都が報告書 発症との関連研究
ディーゼル車の排出ガスとスギ花粉症との関連を調べていた東京都の調査委員会は27日、「排ガスに含まれる微粒子が花粉症の発現や悪化に影響を及ぼす可能性がある」との調査報告書をまとめた。排ガスと花粉症発症メカニズムなどについて総合的にまとめた研究は初めてだという。
調査は医師や大学教授ら約30人が参加し、2001年9月から今年3月まで実施。ディーゼル車の排ガスは健康調査などで呼吸器疾患などとのかかわりが指摘されており、調査では花粉症との関連を調べた。
報告書によると、花粉症患者の血液を実際に用いて試験管内で排ガスの微粒子を加えた実験では、症状を発現・悪化させる物質を増やすことが判明した。
また、ラット(大型ネズミ)を使った実験では、妊娠中の親ラットや免疫機能が未発達なほ乳期の子どものラツトに一般大気中の10倍程度の濃度の排ガスを浴びせると、子ラットが花粉症になりやすい体質になることがわかった。委員の一人は「ラットにみられる症状は人にも当てはまると思う」としている。石原慎太郎都知事は二期目の公約に大気汚染対策を掲げており、都は10月から都内での「ディーゼル車規制」に踏み切る予定。 2003.5.28 日本経済新聞より。
シックハウス症候群 公務災害と認定 大阪・堺の保育士らに
大阪府堺市保育所の仮設園舎で、シックハウス症候群やその重症例の化学物質過敏症(CS)にかかった市職員の保育士ら3人が9日までに、地方公務員災害補償基金大阪府支部から公務災害の認定を受けた。地方公務員災害補償基金(東京)によると、シックハウス症候群の公務災害認定は異例。
堺市保育課などによると、認定を受けた3人は同保育所に勤務していた女性で、微量の化学物質で体調を崩すCSはうち1人。3人には治療費が支払われる。
2001年5月、3人は保育所の民営化に伴う建て替え工事で仮設園舎に移ったところ、頭痛やけん怠感などの症状を訴えた。仮設園舎にはシックハウスの原因物質であるホルムアルデヒドが放出されやすい建材が使われていたという。同保育所では昨年5月にアルバイトの保育士が初の労災認定を受けたほか、園児15人も頭痛などを訴えた。 2003.4.9 日本経済新聞より。
子宮内膜症 アレルギー反応原因か 薬投与で症状改善も 栃木の医師ら学会発表へ
若い女性に多く、患者が百万人にのぽるといわれる「子宮内膜症」の原因が、アレルギー反応である可能性が高いことが、栃木臨床病理研究所長の菅又昌雄医師らの研究でわかった。気管支ぜんそくなどの治療に使われる抗アレルギー薬を飲んだ患者の多くは、症状が改善された。菅又医師は「予防薬としても有望」としており、12日から福岡市で開かれる日本産科婦人科学会で発表する。
子宮内膜症は、受精卵が着床するマットの役割をする内膜が、子宮以外の場所にできる病気で、原因がはっきりわかっていない。下腹部に慢性的な痛みが出るほか、不妊症の一因になるとされる。子宮や卵巣の摘出以外に完治する方法はなく、ホルモンを使った薬物療法も副作用が多かった。
菅又医師らは、病気になった組織にアレルギー反応の中心的役割を果たす細胞があり、炎症を起こす物質を出していることを確認。大森赤十字病院(東京都大田区)で抗アレルギー薬を、子宮内膜症の患者10人に 約2か月間飲んでもらったところ、細胞レベルでアレルギー反応が減り、腹腔鏡を使った治療が簡単になった。自治医大付属大宮医療センター(さいたま市)でも、抗アレルギー薬を飲んだ患者16人の半数以上が、「鎮痛剤を使う回数が半分以下に減った」と答えるなどの効果が見られた。 2003.4.9 読売新聞より。
化学物質の危険度 子供に合わせた評価作成
環境省は、化学物質が子供の健康へ与える影響を調べる「リスク(危険度)評価手法」の構築に乗り出す。これまでの環境基準は大人に合わせたもので、身体の小さな子供に合わせたものは一部の化学物質を除いてなかった。新事業では、子供が日常生活の中でどんな種類の化学物質にさらされているか調査し、子供の化学物質への敏感さを考慮した有害性の調査と併せて、子供に合わせたリスク評価手法を作る。
医療分野では、医薬品の投与量を大人と子供で変えるなど、身体の違いに着目した治療がされているが、さまざまな化学物質からなる食事や生活用具などについては日本ではほとんど考慮されてこなかった。例外として、成長を阻害する鉛や、ぜんそくなどの原因とされる窒素酸化物などごく一部で、環境基準に差がつけられているのみだ。
リスクが確定すれば環境基準に盛り込む方針。 2003.3.5 読売新聞より。
建築基準法の改定(用語解説)
昨年7月5日の第154回通常国会で建築基準法の改定が可決・公布された。2003年7月(7月1日からの着工分)からの施行となる。今回の建築基準法改正は、常時換気が可能な換気設備をほとんどすべての建築物に義務付けるという点で、従来にない強力な法規制を設けたのが大きな点だ。
建築基準法改定自体は建材から発するホルムアルデヒドなどの有害物質の抑制をはじめ、シックハウス対策に重きを置いた改定内容で、常時換気設備の設置義務化もその関連で盛り込まれた。
常時換気設備設置の対象となるのは、新築の建物のほぼすべて。すなわち「居住、執務、作業、集会、娯楽などの目的で継続的に使用される部屋」にはすべて24時間換気設備の設置が義務付けられる。違反した場合は30万円以下の罰金に処せられる。 2003.3.3 電波新聞より。
アレルギー体質 70年代生まれで9割 衛生環境改善が影響?
ダニやスギ花粉などでアレルギーを起こしやすい体質の人が、1970年代に生まれた人では約9割に上ることが、斎藤博久・国立成育医療センター研究所免疫アレルギー研究部長らの調べで分かった。今回の数字は世界的にも例がないほど高率だという。
斎藤部長は「衛生的な環境で育った乳児の方がアレルギーになりやすいとの仮説が最近注目されている。日本では70年代に乳幼児を取り巻く衛生環境が劇的に改善しており、それが今回の結果の背景にあるのではないか」と話している。
調査は71年1月から80年3月までに生まれた慈恵医大(東京)の学生ら計258人から血液を採取。ダニやスギ花粉などアレルギーの原因となる計14種類の抗原物質に対し「IgE」と呼ばれる抗体を持っているかを調べた。この抗体が多いとアレルギーを起こしやすい体質と判定できる。
いずれかの抗原に対して抗体を持つアレルギー体質の人は222人(86%)。生まれ育った場所が人口100万人以上の大都市だった人ではその割合は92%に達し、中小都市出身者の80%を上回った。
医療関係会社の社員約50人でも同じ検査をしたところ、70年代生まれでは88%がアレルギー体質だった。2003.2.28 日経産業新聞より。
シックハウス対策でJIS
経済産業省は建材に含まれる化学物質の一部によって吐き気などを招く「シックハウス症候群」対策として、原因化学物質の試験方法などを規定する日本工業規格(JIS)を制定・改定する。第一弾として建材から空気中に放散する揮発性有機化合物(VOC)、ホルムアルデヒド、カルボニル化合物の量を「小形チャンバー法」を用いて測定する方法について規定したJISを制定・公示した。http://www.meti.go.jp/kohosys/press/0003578/ 3月20日には建築内装材、塗料、接着剤など45の建材関連のJISについて、ホルムアルデヒドの放散量による等級区分と表示記号の規定を制定・改正する。2003.1.22 日経産業新聞より。
化学物質過敏症 成人患者推計70万人 シックハウス対策急務
国立公衆衛生院(現・国立保健医療科学院)が、シックハウス症候群の重症例である化学物質過敏症(CS)について、米国の一般的な判断基準となっている問診票を使って日本国内の成人に調査した結果、0.74%がCSの可能性が高いことが分かった。日本の一般市民を対象としたCSの広範な調査は初めて。調査を担当した元国立公衆衛生院労働衛生学部長の内山巌雄・京都大大学院教授(環境保健学)は「CS患者の疑いのある人が、成人だけで全国に約70万人は存在すると推計され、対策が急がれる」と話している。
調査結果は、シックハウス症候群をテーマに11日まで東京都港区で開催された国際会議で発表された。
CSは建材や農薬などに含まれる化学物質が原因で起こるとされる。いったん発症すると、極めて微量の化学物質を浴びただけで体調が悪化するため、通勤や通学などの外出が困難になる。調査の問診票は、湾岸戦争(91年)帰還兵士の調査など米国で広く使われており、国際的に信頼度が高い。「殺虫剤、除草剤にどの程度反応するか」「ペンキ、シンナーにどの程度反応するか」など計30の質問があり、回答を集計して一定以上の点数がある場合、CSの可能性が高いと判定される。
国立公衆衛生院の調査は00年7月、無作為で選んだ全国の成人4000人を対象に面接方式で実施し、2851人(71.3%)から回答があった。その結果、CSの可能性の高い人は21人(回答者の0.74%)だった。2003.1.12 毎日新聞より。
電磁波 健康に影響 「超低周波」全国疫学調査で確認
高圧送電線や電気製品から出る超低周波の電磁波(磁界平均0.4マイクロテスラ以上)が及ぶ環境では子供の白血病の発症率が2倍以上になる、という調査結果が、国立環境研究所などによる初の全国疫学調査の中間解析の結果で出ていることがわかった。電磁波と発症の因果関係は明確ではないが、世界保健機構(WHO)などは昨年、電磁波で小児白血病の発症が倍化するという同じ結果を発表している。今後、日本でも欧米並みの電磁波低減対策を求める声が出る可能性もある。2002.8.24 朝日新聞より。
「杉並病」 ごみ施設と因果関係 公調委 原因物質は特定せず
東京都杉並区にある都の不燃ごみ中間処理施設の周辺住民が、のどの痛みや頭痛などを訴えている「杉並病」問題で、国の公害等調整委員会(川崎義徳委員長)は26日、住民側の申請から約5年ぶりに裁定を出した。裁定は、施設の操業開始から5ヶ月間に発症した事例に限定したうえで、原因は特定しないまま健康被害との因果関係を認めた。2002.6.27 日本経済新聞より。
学校・ホテル・百貨店の新築 化学物質の測定義務化 シックハウス対策
新築の建物で発生するシックハウス症候群が社会問題となる中、厚生労働省は、学校やホテル、百貨店の新築時や大規模な改修時に、原因の一つとされる化学物質ホルムアルデヒドの測定を義務付ける方針を決めた。違反すれば都道府県などが改善命令を出し、従わなければ建物の使用を中止させる「罰則」も適用する。
測定の対象となるのは、ビル衛生管理法で「特定建築物」になっている面積が一定以上の学校や百貨店、ホテルのほか映画館、会社事務所など。2000年度末時点で全国の約34000施設。2002.6.25 日本経済新聞より。
シックハウス2大原因物質 ホルムアルデヒド クロルピリホス 法律で規制
建材などに含まれる化学物質で体調を崩すシックハウス症候群をなくそうと、2種類の原因物質を規制する建築基準法の改正案が、今国会で成立する見込みだ、成立すれば1年以内に施行される。初の法規制によるシックハウス対策として、有効性が期待されている。
対象となっている化学物質は、シロアリ駆除剤のクロルピリホスと、合板や壁紙などの接着剤から出るホルムアルデヒドの2種類。改正案は「シックハウス対策のため」と掲げ、居間や寝室など居住部分について、@クロルピリホスを出すおそれのある建材の使用を禁止するAホルムアルデヒドの発生の少ない建材を使う・・・を趣旨としている。また、マンションなど気密性の高い建物には、換気設備の設置が義務づけられる。こうした規定に違反した場合は是正命令などが出される。2002.6.21 読売新聞より。
「シックハウス症候群」対策が盛り込まれた建築基準法改正案が5日、衆議院本会議で自民、民主などの賛成多数で可決、成立した。1年以内に施行される。2002.7.6 読売新聞より。
「光触媒」に性能評価規格 経済産業省着手
経済産業省は、汚れの分解や脱臭などの機能を持つ光触媒の性能を正しく評価する規格作りに乗り出す。関連商品の市場が急成長する一方で、まがい物商品も目立ち始めている。標準化した評価法がないためで、約1年かけて日本工業規格(JIS)に向けた基本案を固める。
光触媒は、光を当てるだけで壁や建材の汚れやにおいを取り除く。抗菌効果もある。内外装材や窓ガラス、空気清浄機などに用途が広がり、国内市場の規模は年間300億円を超える。ただ統一した評価方法がなく、十分機能を備えず、市場の急成長に便乗した製品もあるという。2002.6.20 日本経済新聞より。
環境ホルモン2例目の認定 オクチルフェノール
環境省は14日、主に工業用洗剤の原料に使用されている化学物質「オクチルフェノール」(略称OP)を環境ホルモン(内分泌かく乱化学物質)と認める調査結果をまとめた。同省が認定した環境ホルモンは、ノニルフェノールに次いで2例目。2002.6.15 読売新聞より。
シックハウス症候群 全国初の労災認定
建材に使われた化学物質によって健康被害を引き起こす「シックハウス症候群」にかかった大阪府堺市の市立五ヶ荘保育所の保育士4人について、堺労働基準監督署が先月末に労災を認定していたことが11日、わかった。シックハウス症候群による労災認定は全国で初めて。労災認定されたのは、同保育所に勤めていた22-61歳の非常勤女性保育士。仮設園舎に引越した直後の昨年6月ごろ、頭痛などの症状が出たため、同労基署に労災の認定を申請していた。2002.6.11 読売新聞より。
シックスクール対策に「学校環境衛生基準」を改定 文部科学省
文部科学省は厚生労働省がシックハウス症候群に関し、室内空気中化学物質濃度の指針値を順次設定していることを踏まえて、学校における化学物質の室内濃度を検査するよう 「学校環境衛生基準」の改定をすると2002年2月5日報道発表した。14年4月1日より適用される。
厚生労働省の指針値と同値を判定基準とし、定期検査、臨時検査を行う。ホルムアルデヒド、トルエンの2物質と、必要に応じてキシレン、パラジクロロベンゼンの2物質も実施する。(文部科学省HP・報道発表一覧より)
アセトアルデヒドとフェノブカルブを室内空気汚染物質に追加
厚生労働省のシックハウス問題に関する検討会はこのほど、個別の揮発性有機化合物(VOC)の指針値や、その採取方法、測定方法などを含めた検討会(第8回、第9回)の中間報告書をまとめた。
それによると、室内空気汚染にかかわるガイドラインとして新たにアセトアルデヒド、フェノブカルブの室内濃度指針値が、ホルムアルデヒド、トルエン、キシレン、パラジクロロベンゼンなど策定済みの12の揮発性有機化合物に加わった。2002.2.15 電波新聞より。
妊婦の「煙害」全国調査へ 厚生労働省研究班の試行調査では3分の2が「悩まされる」
夫や同僚の喫煙で、胎児の発育に影響するタバコの煙を、日常的に吸ってしまう妊婦はどれくらいいるのか。厚生労働省研究班(班長=大井田隆・国立公衆衛生院部長)が1万人規模の実態調査に近く乗り出す。研究班が4県で妊婦約1500人に試しにアンケートしたところ、3分の2が、「日ごろ、タバコの煙にさらされている」と答えた。研究班では、全国280か所の産婦人科施設の協力を得て実態を調べ、禁煙教育に生かす考えだ。
妊娠中の喫煙は、低体重児の出産につながるほか、喫煙していると自然流産の危険度が1.5-2倍高まるほか、妊娠中の母親の喫煙では、子供が気管支ぜんそくになる危険も2倍になるという。
研究班が試行した三重、福井、富山、福岡の4県でのアンケートでは、夫や他の家族、職場の同僚らが日常的に吸っているタバコの煙を吸っている妊婦は全体の63%。若い妊婦ほどその傾向は顕著で、24歳以下では80%を超えた。
タバコの害については90%以上が「知っている」と回答。一方で、過半数の妊婦が「喫煙者に近づかないようにする」など苦労している実態も浮き彫りになった。妊婦自身の喫煙状況も調べたところ、妊娠前の喫煙率は21.6%で、妊娠後もタバコをやめられなかった妊婦は、その4割にあたる8.4%いた。 2002.2.3 読売新聞より。
2化学物質の使用禁止を答申 シックハウス対応で社会資本整備審議会
国土交通省の社会資本整備審議会は30日、建材などの化学物質が原因で健康被害が起きるシックハウス症候群の対応策を盛り込んだ答申をまとめた。シックハウス症候群の原因物質とされるホルムアルデヒドとクロルピリホスについて、建材などへの使用制限や禁止を求めた。国交省は今国会に建築基準法改正案を提出する。2002.1.31 日本経済新聞より。
地下水の8%環境基準越す 硝酸性窒素など
環境省は25日、全国の井戸を対象に昨年度、実施した地下水質の測定結果を発表した。全体の8.1%で、硝酸性窒素などが環境基準を超えた。
調査対象4911か所のうち、環境基準を超えたのは398か所。うち253か所で、硝酸性窒素・亜硝酸性窒素が環境基準(1リットル当たり計10ミリグラム)を超えた。肥料や生活排水などが地下にしみこんだ可能性が指摘されているが、硝酸性窒素などは大量に摂取すると、チアノーゼが出る。 2001.12.26 読売新聞より。
ダイオキシン環境基準オーバー 大気10地点 水質83地点
環境省は18日、昨年1月施行されたダイオキシン対策法に基づく初のダイオキシン類全国調査結果を発表した。年平均値で、大気では10地点で環境基準を超え、川や海、湖などの水質でも83地点で基準をオーバー。福岡県大牟田市の大牟田川では基準の48倍も検出された。同省は「いずれも直ちに人体への影響があるとは考えられない」としている。2001.12.19 読売新聞より。
歯の治療で使う水銀合金 「アトピー要因に!」 京都市の開業医ら発表
歯の治療で充てん材として利用される水銀合金のアマルガムがアトピー性皮膚炎などの要因になっているとの調査結果を19日、京都市の開業医島津恒敏さん(アレルギー科)らが熊本県水俣市で開催中の水銀国際会議で発表した。
島津さんは「アマルガムの使用は禁止するか、使う場合でも危険性を患者に説明すべきだ」と訴えた。
島津さんは大阪市の歯科医高永和さんと共同で、1991年−98年、アマルガムが充てん材として使われ、アトピーなどアレルギー性皮膚炎のひどい京阪神や岡山の患者計三百人を対象に調査。歯からアマルガムを取り除き、代わりに他の金属やプラスチックを詰めて経過を観察すると、一年後には約70%の患者で皮膚炎が改善、うち半数以上の約58%は完全に治癒した。
また同じ三百人のリンパ球について、試験管で水銀など重金属に対するアレルギー反応を調べたところ、約98%が水銀に陽性を示した。
この調査とは別に島津さんが97年、京都市内の小学生約250人を調べると、約38%がアマルガムの歯科治療を受けており、その中で皮膚炎がある率は約48%なのに対し、アマルガムが使用されなかった児童は約8%と明らかな差があった。
これらの結果からアマルガムの水銀がアレルギー性皮膚炎の発症に重要な役割を果たしていると結論。微量に溶け出す水銀が、汗や血液を通じて皮膚を刺激するためとみている。
アマルガム用水銀の日本での使用量は年間約1トンに上るが、スウェーデンなどでは妊婦、小児への使用が禁止されている。
島津さんは「患者は銀と思って知らないうちに水銀アマルガムの治療を受けているのが実態だ。アレルギー対策は、ステロイド治療だけに頼らず、原因の除去が先決で、国はアマルガムの使用可否について真剣に検討すべきだ」と話している。2001.10.19 日本経済新聞より。
中国製アトピー塗り薬に強力ステロイド剤
アトピー性皮膚炎への効果をうたい、インターネットを通じた個人輸入などで販売されている中国製塗り薬に、最も強力な種類のステロイド(副腎皮質ホルモン)剤が含まれているものがあることがわかり、日本皮膚科学会は14日、副作用の恐れがあるとして、厚生労働省に調査や注意喚起を行うよう要望した。2001.9.15 読売新聞より。
環境ホルモン初の断定 工業用洗剤に多用「ノニルフェノール」
環境省は3日、工業用洗剤として多用されている化学物質「ノニルフェノール(略称NP)」を、生物の生殖機能に影響を与える環境ホルモン(内分泌かく乱化学物質)と断定する調査結果をまとめた。日本の河川など一般の環境で検出される低濃度でも、オスのメダカの精巣の一部に本来はない卵巣が混じって成長する“メス化現象”が起きることや、この奇形が環境ホルモン特有のメカニズムで引き起こされていることを世界で初めて確認した。
同省はNPを含めた約70種を“灰色物質”としてきたが、環境ホルモンと断定したのはNPが初めて。これを受け、政府は一層の対策を迫られそうだ。2001.8.3 読売新聞より。
塩ビおもちゃ規制 食品衛生法 基準改正案に合意
厚生労働省の薬事・食品衛生審議会は27日、毒性部会と器具容器包装部会の合同部会を都内で開き、乳幼児が口にする塩化ビニール製のおしゃぶりやおもちゃに、内分泌かく乱物質(環境ホルモン)の疑いがあるフタル酸エステル類の一部物質を使用禁止とする、食品衛生法の規格基準改正案に合意した。
塩ビ製の手袋やラップなどの調理用具、保存容器にも、原材料としてこれらの物質の一部を使用しないこととした。既に塩ビ製おもちゃを規制している欧州連合(EU)などに比べ遅れていた日本の対策が、批判の声に押される形でようやく始まる。しかし、市民団体は「塩ビ製品には、ほかにも問題のある物質が使われており、今回の措置では不十分だ」などとしている。
フタル酸エステル類は、塩ビを軟らかくしたり加工しやすくする可塑剤として広く使われている。改正案では、乳幼児が口にするおしゃぶりや歯固めでは、フタル酸ジエチルヘキシル(DEHP)とフタル酸ジイソノニル(DINP)の2種類を使用禁止。通常、口にしないおもちゃや調理用具、保存容器では、DEHPのみを禁止する。2001.7.28 日本経済新聞より。
住宅性能表示制度 シックハウスを考慮 化学物質の濃度測定
国土交通省の社会資本整備審議会は11日、住宅の建材などに含まれる化学物質が引き起こすシックハウス症候群への対応策として、住宅の性能を第三者が評価する住宅性能表示制度の項目に、ホルムアルデヒドなど5種類の化学物質の室内濃度を新たに追加することを決めた。8月中に実施する。
昨年に導入した現行の住宅性能表示制度は内装に使う建材について、ホルムアルデヒドを発散しやすいかどうかに応じて4等級に分けて表示している。これだけでは住宅の室内にシックハウス症候群の原因となる物質がどのくらい存在しているかがわからないため、国交省は表示項目を追加することにした。
追加するのはホルムアルデヒドのほか、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、スチレンの室内濃度。内装工事が完了した後、屋外に面する窓や扉を5時間以上閉鎖してから空気を採取し、測定する。
住宅性能表示制度は2000年4月に施行した住宅品質確保促進法に基づく制度で、欠陥住宅の排除を目的としている。評価業務は国交省が指定した性能評価機関が実施する。任意の制度のため、評価結果を表示するかどうかは住宅メーカーなど申請者の選択にゆだねられている。 2001.7.12 日本経済新聞より。
「携帯電話で電磁波被害」 米で大規模提訴 日本企業など相手に
携帯電話使用による電磁波で健康被害に遭ったとして米国の患者らが、日本メーカーを合む携帯電話関連企業を相手に、巨額の損害賠償や悪影響を防ぐヘッドホンの無料提供などを求めた集団訴訟を20日までにニューヨーク州などの裁判所に起こした。携帯電話の電磁波をめぐる大規模な集団訴訟は初めてとみられる。損害賠償請求額は明らかではないが、懲罰的賠償を含め計数10億ドルに上るといわれる。被告には、米国NEC、米国ソニー・エレクトロニクス、北米三洋電機、米国松下電器の日本関係の4社のほか、米地域通信最大手のベライゾン・コミュニケーションズ、長距離・国際通信スプリントの携帯電話部門スプリントPCS、AT&Tなどの通信会社やモトローラ、ノキア(フィンランド)などの大手通信機器メーカーも含まれる。訴えによると、携帯電話の電磁波の悪影響は、頭部から携帯電話を離して使用できるヘッドホンを使えばかなり減らすことができることを企業側は何年も前から知っていたと主張。その上で、携帯電話購入者に無料でヘッドホンを提供することなどを求めた。訴えに対し、米国NECは「提訴の事実関係を調査中で、コメントは差し控えたい」と話している。2001.4.21 日本経済新聞より。
携帯電波に吸収許容値 総務省が法規制へ
総務省は、健康への影響が懸念されている携帯電話の電波(電磁波)に許容基準値を設け、法規制することを決めた。今後省令改正手続きを進めて6月中に公布し、1年後の施行を目指す。国際機関が定めた「(電波を直接受ける)側頭部1s当たりの吸収エネルギー量2W」を許容基準値とする。国の指定検査機関が、携帯電話使用中に側頭部に吸収される電波エネルギーの大きさを測り、基準値が守られていない場合、端末製造メーカーに対し、免許取り消しなどの処分を下す。電波が脳に及ぼす影響については、がんやてんかん発作の誘発、記憶・学習能力の後退などの症状との因果関係が指摘されている。基準値は、動物実験でこうした影響が確認された最小値の50分の1で、世界保健機関や総務省が研究を委託した専門家らは「基準値以下の電波レベルなら、健康への影響はない」と判断している。国内契約数が総計約7000万台にのぼる携帯電話・PHSのほか、五月に登場する次世代携帯電話や携帯情報端末の一部も対象になる。国内で販売されている現行機種の中で、基準値を上回る電波出力を持つものはないという。海外主要国も携帯電波の法規制に向けて動き出している。英政府は「電波の潜在的な危険性を無視できない」とする専門家グループの勧告を受け、成長期の子供が携帯電話を使いすぎないよう制限すべきかどうか検討している。日本政府は、若年層向けに特別な規制措置を講じてはいない。2001.4.3 読売新聞より。
ぜんそく患者の実態調査 ガイドラインの治療目標と大きな差
昭和大の足立満教授らは、無作為の電話聞き取りによるぜんそく患者の実態調査を実施。半数以上が症状をコントロールできていないことが先月、東京で開かれた国際喘息学会で発表された。
昨年末、16歳以上の成人401人と15歳以下の小児の保護者402人から最近1か月間の症状を聞いた。日中にぜんそく発作などの症状が見られたのは、成人52%、小児51%。このために職場、学校を休んだ成人は30%、学校、幼稚園を休んだ小児は52%もおり、多くの患者が社会生活で大きな制約があることが分かった。
昨年出された小児気管支喘息治療・管理ガイドラインは、ぜんそく発作を起こさず、病気でない人と変わらぬ日常生活を送ることを治療目標に掲げているが、実態とは大きな差がある。足立教授は「ステロイド薬の吸入など長期管理の大切さが医師、患者らに浸透していないことが背景にある」と話している。 2001.3.18 読売新聞より。
シックハウス対策 汚染化学物質の濃度測定基準JIS化へ
経済産業省は27日、住宅用建材に含まれる化学物質によって頭痛やめまいなどが起きる「シックハウス症候群」の対策を強化するため、原因となる化学物質の測定方法を日本工業規格(JIS)で定める方針を明らかにした。
接着剤や塗料の溶剤に含まれるホルムアルデヒド、トルエン、キシレン、パラジクロロベンゼンなどを対象に、空気の採取、汚染物質の分離、濃度の測定などの手順や方法について来年度中にJIS原案を作る。
シックハウス対策では、厚生労働省が主な化学物質の許容濃度をガイドラインで示している。さらに、測定方法がJIS規格によって一本化されると、物件選びの際などに濃度を簡単に比較できる。濃度が高い住宅は売れなくなるので、結果的に原因物質使用を抑える効果が期待できる。 2001.1.28 読売新聞より。
シックハウス研究住宅完成 北海道・旭川
北海道旭川市で5日、住宅建材に含まれる化学物質が原因とされる「シックハウス症候群」や、「化学物質過敏症」を産官学が一体となって研究するための住宅が完成し、報道陣に公開された。
同市神居町に完成した住宅は地上3階建て、延べ約180平方メートルで、内部はカラマツなどの間伐材を多用した木目調の温かな雰囲気の内装に仕上がった。建材や家具などは、化学物質を可能な限り排除したものを使用している。 2001.1.5 日本経済新聞より。
加工食品へのアレルギー表示義務付けは5品目
厚生省は26日、食品アレルギーを引き起こす恐れがあるとして加工食品への表示を来年4月から義務付ける原材料を、卵、乳、小麦、そば、ピーナツの5品目に決めた。2000.12.27 読売新聞より。
新車もシックハウス状態 「化学物質、車内に充満」 大阪公衆衛生研調べ
建材や内装材から発生する化学物質が居住者の健康を害する「シックハウス症候群」が問題となっているが、新車の車内も化学物質濃度が極めて高いことが、大阪府立公衆衛生研究所の吉田俊明主任研究員らの調査でわかった。調査した車では、厚生省が定めた室内汚染の暫定目標値の約34倍にのぼった。同省は「車両内もシックハウス対策の対象。目標値を上回るなら、減らす努力は必要」としている。
研究グループは国産のワンボックス型の新車を購入し、実際に使用しながら、ほぼ1年間、車内の化学物質濃度を測定し続けた。同省の室内暫定目標値は1立方メートル当たり400マイクロ・グラム(マイクロは100万分の1)だが、この車は納車直後が約13,800マイクロ・グラム、1年後でも約670マイクロ・グラムと目標値を上回った。
成分としては、ゴムやプラスチック製品の製造過程で使われるアゾビスイソブチロニトリルや、ゴム製品の老化防止剤など住宅では見られない化学物質も数種類検出された。
吉田研究員は「自動車は空間に占める内装材などの割合が住宅より高く、車内の化学物質濃度はかなり高いと考えられる」と語り、車全般に共通の問題と見ている。
複数の物質の毒性を総合的に評価する手法はまだ確立されていない。健康被害に結びつくかどうかは未解明だが、同省の「シックハウス問題に関する検討会」メンバーの内山巌雄国立公衆衛生院労働衛生学部長は「外気を取り込めば住宅より早く換気できるが、密閉状態の車内に長くとどまる時は注意した方がいい」と話している。 2000.12.26 読売新聞より。
羊水に“濃縮”環境ホルモン 妊娠前期 母体の5倍超
妊娠前期の胎児は、母親の5倍以上に濃縮された内分泌かく乱化学物質(環境ホルモン)を含む羊水にさらされていることが、東大病院分院産婦人科の堤治教授らの研究で明らかになった。16日に横浜市内で開かれる「内分泌かく乱化学物質問題に関する国際シンポジウム」で発表される。羊水から環境ホルモンが検出された例は過去にあるが、環境ホルモンが母体以上に濃縮されていることが分かったのは初めて。
堤教授らは、30人以上の妊婦の血液、羊水、卵胞液に含まれる環境ホルモンの一種「ビスフェノールA」の濃度を検査。妊婦の血液では1ミリ・リットル中に平均で1.4ナノ・グラム(1ナノ・グラムは十億分の1グラム)だったのに対し、妊娠前期の羊水では、その5倍以上にあたる8.3ナノ・グラムに濃縮されていることが分かった。胎児が生まれる直前には、羊水、胎児の血液ともに、約2ナノ・グラムと母親と同程度の濃度に減少していた。
ビスフェノールAは、一部のプラスチック食器などに使われている化学物質。動物実験では、ごく微量でも胎児の成長が異常に早まることが報告されており、世界的に注目を集めている。
環境ホルモンは、母体から胎盤を通じて胎児や羊水に流れ込む。妊娠初期には、胎児はまだ化学物質を体内で分解することもできず、母体から流れ込んできた環境ホルモンが羊水や胎児の体内でそのまま蓄積、濃縮される可能性が高いという。
堤教授は「化学物質などの影響を受けやすい妊娠初期の胎児にも、羊水を通じて高濃度の環境ホルモンが蓄積しているはずだ。発育への影響などを調べる必要がある」と話している。 2000.12.15 読売新聞より。
遺伝子組み換えトウモロコシ アレルギー危険性報告 米政府諮問委
【ワシントン】米環境保護局(EPA)の科学諮問委員会は、家畜の飼料にしか使用が認められていない遺伝子組み換えトウモロコシ「スターリンク」が食材に使われていた問題で、スターリンクには、それを摂取した人間にアレルギー反応を起こす恐れがあるとする報告書をまとめた。諮問委は、EPAに対し、スターリンクとアレルギーの因果関係についてさらに調査するよう勧告した。スターリンクの安全性に疑問が示されたことで、他の先進国に比べ緩やかとされる米国の遺伝子組み換え食品に対する規制が強化される可能性が出てきた。
諮問委は、報告書の中で、スターリンクが混ざった食品を摂取して体調を崩したと訴えた34人を調査したところ、7〜14人について食物アレルギーを起こしていた疑いが強いとの結論に達したとしている。
スターリンクは、米国で飼料用は認められているが、人間の食用にあてるのは禁止されている。しかし、今年9月、市販の食材に使われていることが発覚し、米政府が農家から同品種を買い上げる方針を打ち出した。一方、日本では、食用、飼料用とも輸入を許可していなかったが、今年11月になって米国からの輸入飼料の一部に混入されていたことが分かった。 2000.12.6 読売新聞 日本経済新聞より。
へその緒から環境ホルモン 10例中6例 胎児に影響の恐れ 環境庁調査
身近なプラスチック製品に広く使われている環境ホルモン(内分泌かく乱化学物質)の一つ「フタル酸ジエチルヘキシル(DEHP)」が、環境庁の調査で胎児のへその緒から検出されたことが分かった。調べたのは10例で、そのうち6例から検出された。へその緒を通じて胎児が母胎から栄養を取り込む際、同時にDEHPが移行している可能性を示す初めての調査結果だ。
動物実験では母親だけでなく、生まれた子供にも影響が出ることが確認されている。DEHPは、国内の河川の水や大気中でも高い確率で検出されており、環境庁は特に対策を急ぐ必要がある「リスク評価優先物質」に指定、さらに詳しい調査を進めることを決めた。
DEHPはプラスチックを軟らかくするために添加される可塑剤で、特に「塩化ビニール製品」に多用されている。またDEHPは最近、市販の弁当から高い濃度で検出されている。厚生省は弁当を作る際に使用していた調理用の使い捨て手袋が原因と見て、すでにこうした手袋を使用しないよう指導している。
DEHPは身の回りに多用されているので、対策は難しいが、胎児への影響が大きい妊娠中は塩ビ製品を遠ざけるなどの自衛策が必要だろう。2000.10.31 読売新聞 日本経済新聞より。
環境ホルモン ビスフェノールA 免疫系乱す
合成樹脂製の食器などに含まれ、環境ホルモン(内分泌かく乱化学物質)の一種とされるビスフェノールAが、極めて低い濃度で人間の免疫機能を乱し、過剰になるとガンや老化につながるといわれる活性酸素を増加させる可能性があることが、国立医薬品食品衛生研究所などの研究でわかった。
活性酸素は、多すぎると細胞の遺伝子を傷つける危険性が高まり、その結果としてガンや老化の原因になると見られている。同研究所の鈴木和博・代謝生化学部第一室長は「免疫機能にもこれほど低い濃度で影響が出るとは予想外だった」という。2000.10.30 読売新聞より。
環境ホルモン ごく微量で妊娠初期に影響 東大グループ確認
妊娠初期に、ごく微量の環境ホルモン(内分泌かく乱化学物質)の一種、ビスフェノールAにさらされただけでも、子供の成長過程が促進されるなどの影響が出ることが、東京大学医学部産婦人科、堤治教授らのマウスの実験で明らかになった。ごく微量の環境ホルモンの影響の有無は、世界中で論争の的となっているが、現在、人間の体内に存在するビスフェノールAより低い濃度でも影響が現れることが確かめられたのは初めて。近年、女児の月経時期が早まるなど、子供の早熟化が進んでいるが、堤教授は環境ホルモンとの関連を調べる必要があると警告している。11月23日から神戸市で開かれる日本不妊学会で発表される。
ビスフェノールAは、合成樹脂や缶詰塗料などの原料で、1日数グラム以上が体内に入ると、女性ホルモンに似た生殖毒性が現われるとされる。日常生活の中でも微量摂取しており、人間の卵胞液や羊水中にも通常、1ミリ・リットル中に、1-2ナノ・グラム(ナノは十億分の一)あることが確認されている。
堤教授らは、マウスの初期の受精卵に、人間の体内濃度の5-10分の1というごく微量のビスフェノールAを加えて培養。母胎に戻して、生まれたマウス30匹の生後の体重変化を調べた。その結果、離乳時期に当たる生後21日目の体重は約13.6グラムで、ビスフェノールAを加えずに育てたマウス(約9.9グラム)に比べて、明らかに成長が早かったという。
化学物質の毒性は、濃度が低くなれば無視できるというのが常識だが、数年前から、この物質はこれまで無視されてきた、安全基準値の十万分の一というごく低濃度でも、マウス胎児の前立腺を肥大させたり、生殖器形成に影響を与えるとする報告が、国際環境ホルモン学会(環境庁主催)などで発表され、各国の研究者の関心を集めている。
堤教授は、「月経が始まる時期が早まっていることと、子宮内膜症の患者増加に関連がないか疑われているが、この物質が問題の一因になっている可能性があり、さらに研究を広げる必要がある」と話している。 2000.10.22 読売新聞より。
ダイオキシン微量でも胎児に影響 国立環境研究所らの動物実験で確認
妊娠中の動物が摂取したダイオキシンの一部が胎児に移行し、ごく微量でも、子の甲状腺機能や雄の生殖器などに影響を及ぼすことを、国立環境研究所の米元純三総合研究官のグループが、ラットを使った動物実験で確かめた。
ダイオキシン濃度の高い母親から生まれた子供は、甲状腺ホルモンのレベルや学習、運動能力が低下していることが一部で報告され、胎児へのダイオキシンの影響が心配されているが、これを多角的に調べた実験は世界的にも少なく、貴重なデータとなりそう。米元研究官は「人間でも母体から胎児への移行の状況や、子供への影響の有無を調べることが必要だ」と話している。
グループは、妊娠中のラットに、4段階に量を変え、ダイオキシンを1回だけ投与。胎児への影響を調べた。母体投与から1日後の胎児中からは投与量の0.2%のダイオキシンが検出され、ダイオキシンが胎盤にある化学物質の関門を通り抜けて胎児に達することが分かった。
生まれた子供では、生後120日の前立腺重量が約6割〜8割に低下。生殖器の先端から肛門までの距離が約13%短くなる「メス化」の傾向が表れていた。免疫機能に関する胸腺や脾臓の細胞の数が減ったり、甲状腺ホルモンの一種の血中濃度が低下したりする時期があるなど、母体からのダイオキシンで、出生後の子供にさまざまな影響が出ることが確認された。 2000.10.14 日本経済新聞より。
シックハウス問題 内装作業員ら2000人に健康調査 化学物質の影響対策
住宅建材に含まれるホルムアルデヒドなどの化学物質が原因で頭痛や吐き気、ひどい場合には呼吸困難を引き起こすシックハウス症候群問題で、労働省は、内装工事の従事者らも被害を受けるおそれがあるとして、来年度から、初の健康面の実態調査に乗り出す方針を決めた。
調査は2年がかりで、内装工事や合板工場、塗装工場などの作業員約2000人に対し、健康状態や作業内容に関するアンケート調査を実施。シックハウス症候群の疑いのある人には医師による健康診断を受けてもらい、疫学的な原因調査も行う予定。
また、全国20ヶ所の内装工事や合板製造現場で、有機化合物の空気中の濃度を測定する。シックハウス症候群で労災に認定されたケースはないが、同省では、「低濃度の化学物質を日常的に吸いこめば、住人と同様、健康に影響することも考えられる」とみている。
労働安全衛生法では、有機化合物中毒を防ぐため、空気中の濃度基準を定めているが、化学物質に過敏な人を想定した基準はない。このため、同省では現在、厚生省が定めた有機化合物の室内濃度指針を参考に、職場のシックハウス対策の指針づくりを進めている。
また、同省の外郭団体「中央労働災害防止協会安全衛生サービスセンター」の全国7ヶ所に来年度、シックハウス症候群に関する相談窓口を設けることにしている。同省の担当者は、「体調が不良でもシックハウス症候群であると気づいていないケースもあると思われる。予防対策のためにも、健康面の実態調査を行うことにした」と話している。 2000.10.4 読売新聞より。
ディーゼル排ガスがぜんそくを誘発 国立環境研究所の実験で確認
ディーゼル排出ガスを吸うと、アレルギー反応が増し、ぜんそくの中心的症状である気道狭さくが誘発されることが、国立環境研究所などのマウスを使った実験でわかった。ディーゼル排ガスが人間の気管支ぜんそくの発症に直接、影響することを示す初めての成果で、国の今後の大気汚染対策などにも影響を与えそうだ。2000.9.28 読売新聞より。
シックハウスの原因 化学物質総量に「暫定目標値」
住宅建材に含まれる化学物質が原因で体調不良を起こす「シックハウス症候群」の対策を協議する厚生省の検討会は、複数の化学物質の総量を、「新築」で室内の空気1立方メートル当たり1000マイクログラム、「中古」は同400マイクログラムを超えないよう暫定目標値を定めることを了承した。年内にも正式決定する。
同省は、個別の化学物質ごとに指針値を定めて業界の自主規制を促す一方で、100種類以上の有害化学物質の総量を抑制する方法を探ってきた。しかし、現時点では科学的に毒性を評価する方法が確立されていないため当面は指針値は設けず、指針値よりも緩やかで罰則規定のない目標値とすることにした。入居前の建物については、室内が閉め切った状態のままのため目標値をさらに緩くした。2000.9.26 読売新聞 日本経済新聞より。
家庭の空気も環境ホルモンで汚染 都衛生局調査で検出
家庭の空気中にも内分泌かく乱化学物質(環境ホルモン)が含まれていることが、東京都衛生局の調査でわかった。室内の生活空間も環境ホルモンに「汚染」されていることが検出数字で裏付けられたのは初めて。
調査が行われたのは都内の一般住宅や共同住宅、老人保健施設など35ヶ所。通常の生活状態での室内空気を採取して分析した。その結果、内分泌かく乱作用の疑いがあるフタル酸エステル類が、調査した空気のすべてから検出された。フタル酸エステル類は、家具や日用品、建材などのプラスチックに添加剤として広く使われている化学物質で、そのうちの6種類が環境ホルモンに指定されている。
採取した空気から例外なく6種類のいずれかが検出されており、特に「フタル酸ジ−2−エチルヘキシル」「フタル酸ジ−n−ブチル」の2物質は、35ヶ所すべてから見つかった。
都衛生局では、「健康への影響はまだわからない」としながらも、「発生源の特定など原因の究明によって、対策を検討する必要がある」としている。2000.8.3 読売新聞より。
「アレルギー起こす食物」 24品目の原材料表示を義務付け
食物アレルギーを防ぐため、加工食品への表示を義務付ける原材料を検討していた厚生省は13日、食品衛生法の省令を改正し、表示を必要とする原材料を24品目とすることを決めた。
対象となるのは、卵、牛乳、小麦、そば、エビ、ピーナツ、大豆、キウイ、牛肉、チーズ、イクラ、サバ、イカ、豚肉、鶏肉、サケ、モモ、カニ、オレンジ、クルミ、ヤマイモ、リンゴ、マツタケ、アワビの24品目。来年4月以降、わずかな含有量でも加工食品への表示が義務付けられる。
厚生省では、昨年行った全国約1600の医療機関へのアンケート結果をもとに、食後1時間以内に意識障害や呼吸困難などアレルギー症例が多く起きた順に選んだとしている。2000.7.14 読売新聞より。
厚生省シックハウス対策「住宅建材にも規制の網」 新たに4物質に指針値
住宅建材などに含まれる化学物質が引き起こす「シックハウス症候群」対策で、厚生省は23日までに、新たにスチレン、クロルピリホス、フタル酸エステル類、エチルベンゼンの4物質について、この秋をめどに個別の指針値を設ける方針を固めた。これにより、これまでのシックハウス対策で盲点となっていた断熱材、化学畳といった住宅建材そのものにまで規制の網が広がることになる。住宅メーカーなど関連業界に対し、住宅の材料から施工方法まで大幅な見直しを迫ることになりそうだ。
指針値は、人体に影響がない範囲でWHO(世界保健機関)が定めた指針値に準じて設定される。同省では、住宅内で発生する100以上の原因物質を総量で規制する方針を決めているが、主な約20の原因物質については上限の目安となる個々の指針値を順次定め、二重に規制する。
新築住宅の実態調査を踏まえ、室内空気中の濃度が高く、緊急の対策が必要なホルムアルデヒド、トルエン、キシレン、パラジクロロベンゼンの4物質の指針値がすでに定められている。これらは、主に接着剤や塗料の溶剤に含まれる。
新たに指針値が設定されるスチレンは、住宅の断熱材や、芯材に発泡ポリスチレンを使った化学畳の原料として使われている。カップめんの発泡ポリスチレン容器の原料にも使われ、環境ホルモンの疑いがあるして、安全論議を巻き起こしている。
クロルピリホスは、白アリ駆除剤に使われる代表的物質。欧米では人体への影響が問題視され、使用禁止を打ち出した国もある。
フタル酸エステル類はプラスチックなどを軟らかくする可塑剤で、主にビニールクロスや木工用接着剤に含まれる。エチルベンゼンは塗料の溶剤に含まれ、トルエン、キシレンの代替物質として使用量が増加する恐れがある。
指針値には法的な拘束力はないが、上限の目安となる指針値の決定で、住宅建材、化学などの関係業界は自主規制をして使用量を削減することになる。一方、注文住宅の購入者らも指針値を目安にした住宅づくりを要求できるようになる。2000.6.23 読売新聞(夕刊)より。
「シックハウス症候群」対策 厚生省が「化学物質を総量規制」
住宅建材などに含まれる化学物質が引き起こす「シックハウス症候群」について、厚生省は22日までに、住宅内に発生する化学物質の総量規制に乗り出す方針を固めた。こうした総量規制は世界でも異例で、住宅業界は厳しい対応を迫られそうだ。
厚生省は97年以降、個々の化学物質の室内濃度の指針値を設けて対応してきた。建材などに含まれる代表的化学物質であるホルムアルデヒドは0.08ppm以下とするなど、4物質について既に定めている。
しかし、規制物質がそれぞれぎりぎりで空気中に存在すると、総量では健康被害を引き起こす濃度に達する恐れがあるため、個々の指針値とともに、化学物質全体の総量で「二重規制」を行うことにした。2000.6.23 読売新聞より。
携帯電話 子供の健康に悪影響の可能性 英国で報告書
【ロンドン】英政府の諮問で携帯電話が健康に及ぼす影響を調査していた専門委員会は、科学的な証拠は十分に揃っていないとしながらも、携帯電話の電磁波が健康に悪影響を与える潜在的危険性を認め、成長期の子供の使用を制限すべきだとの報告書を公表した。「子供は神経の発達過程にあるため、大人より電磁波の影響を受けやすい」と指摘している。2000.5.12 日本経済新聞 読売新聞より。
「ベッドのダニ」45%の家庭でアレルギー起こす量 米国で調査
【ワシントン】米国の45%の家庭のベッドに、アレルギーを起こす量のダニがいることが「全米第1次アレルゲン調査」と呼ばれる初の全国調査で判明し、発表された。ベッドがアレルギーやぜんそくを引き起こす原因物質(アレルゲン)であるダニの温床になっていることを示している。
調査は米国環境健康科学研究所などの研究グループが全米75地域の831家庭を対象に実施。23%の家庭で、ぜんそく患者が症状を引き起こすレベルのダニが見つかり、長期間生活するとアレルギー症状を起こす恐れがあるレベルのダニが45%の家庭で見つかった。
調査した研究者は「全米の4400万世帯でアレルギーを促進させるレベルのダニがいることになる。ベッドカバーを使って、アレルゲンにさらされることを減らす必要がある」と指摘している。 2000.5.10 毎日新聞より。
新たな「国民病」 アレルギー研究ネットワーク作り 厚生省が今年度から
厚生省は、増えつづけるアトピー性皮膚炎や花粉症、リウマチなど「免疫・アレルギー疾患」の治療法の確立を目指し、今年度から研究者のネットワーク作りに乗り出す。これらの病気には国民の約3割が罹患していると言われるが、発症メカニズムが未解明で治療法に幅があり、医師以外の「民間療法」も横行するなど、治療現場で混乱が目立っている。そこで、国立病院や研究機関同士が互いの研究結果や臨床データーを共有、最新の医療技術を全国の医師に伝えるシステムを構築するほか、本格的な「免疫・アレルギー白書」も発行したい考えだ。
アレルギーが激増した理由は定かではないが、大気汚染や、通気性の悪い家屋で増えるダニやカビ、食物、ストレスに加え、遺伝的要素も関係していると言われている。発症のメカニズムは徐々に解明されつつあるが、根治療法はいまだ確立されていない。
例えば、アトピー性皮膚炎は、皮膚科や内科(小児科)で治療するが、効果も副作用も比較的強いステロイド剤の投与方法などを巡り、専門医の間でも意見の隔たりがある。症状も患者によって様々なため、個人にぴったりあう治療法の選択が難しい。医師の治療で効果が薄い場合、健康食品や化粧品などを使った「民間療法」に頼り、かえって症状を悪化させた事例も少なくない。
同省では、これまで約10か所の研究機関に対し、研究予算を提供してきた。しかし、互いの連携が不足していたため、今年度からは、ぜんそくの治療で実績のある国立相模原病院(神奈川県)が全体のとりまとめ役となり、それぞれの成果を共有するネットワークを構築する。国際シンポジウムで成果を発表するほか、医師会を通じて、全国の医師に研究成果を伝える。
さらに、相模原病院内には今年10月から、免疫・アレルギー疾患専門の「臨床研究センター」を新設する。他の研究機関での基礎研究の成果を治療に取り入れたり、臨床研究データを研究にフィードバックしたりする。他の国立病院にも協力を呼びかけ、アレルギー疾患の症例を数多く集めて、治療法の評価をするなど総合的な研究体制を確立する。
その他の研究機関でも、病気のメカニズムや治療法の研究に加え、患者の状況を把握する全国規模の疫学調査を行う。
また、免疫の異常から生じる慢性関節リウマチ患者も全国で約70万人と推定されながら、根治療法は確立されていない。同省はこれについても、同センターを中心に治療法の研究を進める方針だ。 2000.4.12 読売新聞より。
子どもの体がおかしい 「アレルギー」「すぐ“疲れた”という」 日体大、5年ぶり調査
日本体育大学が2000年1月から3月にかけて、計2800に上る全国の保育所、幼稚園、小学校、中学校、高校の主に養護教諭を対象に実施。今回の調査で、保育所、幼稚園、小、中、高校のどの段階でも「最近増えている」という回答が多かった事象は、「アレルギー」と「すぐ“疲れた”という」の2つ。ともに回答率は8割前後に達しており、特に高校では「アレルギー」が約9割に上った。
花粉症やアトピーなどを含む「アレルギー」は90年の調査以降、「最近増えている」事象の1位か2位に必ず挙げられている。 日体大・学校体育研究室は、増加している背景には、「遺伝的なものとは別の『化学物質過敏症』の増加が予想される」と指摘する。
また、「すぐ“疲れた”という」事象については、これまでの研究で、子どもは熱中して何かに取り組んでいるときには「疲れた」とは言わないことが確認されていることから、「子どもを熱中させる生活体験の減少が影響しているとみられる」という。
ちなみに、78年の調査で、小、中、高の「最近増えている」事象で共通して上位に顔を出したのは、「イスに座っているとき、背中がぐにゃぐにゃになる」「朝からあくびをする」など。
同研究室は、子どもの「からだのおかしさ」と関連する器官は、大脳新皮質、せき髄、筋力、骨格など多岐にわたると分析。中でも「授業中(保育中)じっとしていない」事象は、感情や意思をコントロールする大脳新皮質・前頭葉の発達とかかわりがあるとみる。これを発達させるには、「じゃれつき遊びなど、身体接触型の遊びが有効」で、こうした点を含め、「からだのおかしさ」の解決策として、@テレビ・テレビゲーム漬けの生活から子どもを離し、多様な熱中体験をさせるA1日1回、汗をかくくらいの外遊びをさせるB早寝ができる昼間の生活をつくる・・・などと提言している。いずれもかつての子どもたちには当たり前だったことばかりで、増加している体の異変は、「子どもらしさ」の喪失へのシグナルとも言えそうだ。 2000.4.7 日経流通新聞より。
厚生省方針 シックハウス症候群の予防や治療 総合対策
住宅建材などに含まれる化学物質が原因とされる「シックハウス症候群」について、厚生省は予防、治療方針の確立、安全な建材の開発支援を柱とした初めての総合対策に乗り出す方針を固めた。4月5日、医師や建築の専門家による検討会をスタートさせるとともに、建設、通産など関係省庁と連絡会議を発足させる。今年度中に対策の方針を打ち出し、実施したい考えだ。
シックハウス症候群は化学物質過敏症の一種。住宅建材の合板や壁紙の接着剤の成分であるホルムアルデヒドなど揮発性の有機化学物質を吸い込むことにより、頭痛や不眠、めまいなどを引き起こすとされる。患者数は全国で百万人以上と推定されるが、診断、治療法は確立されておらず、国による抜本的な対策を求める声があがっていた。
厚生省は97年、ホルムアルデヒドの室内濃度を0.08ppm以下とする指針を設定。しかし指針には強制力がなく、施工業者にホルムアルデヒドを含まない接着剤を推奨するだけにとどまっていた。
検討会では、ホルムアルデヒドに加え、接着剤や塗料成分のトルエン、キシレン、防虫剤のパラジクロロベンゼンの三種類について、新たに指針値を定める。
予防対策としては、住宅の設計、施工段階で建築業者が講ずるべき対策の目安を作成。揮発しにくい塗料、接着剤の使用、開発の協力を求める。
さらに患者の不安に対応するため、都道府県の保健所などに専門的な相談に応じる窓口を開設。症例の収集・分析を通じて、治療法の確立を目指す。2000.4.5 読売新聞より。
イヤホン電話は危険 イヤホンがアンテナの役割 電磁波3倍強に
【ロンドン=共同】4日付けの英国各紙によると、同国消費者協会は、携帯電話にイヤホンをつなげて使うと、イヤホンのコードが電磁波を伝えるアンテナの役割を果たして、直接耳に当てた時の3倍の電磁波が頭部に伝わったとの調査結果を発表した。
同協会が代表的な2種類の機種の携帯電話用イヤホンで実験した。携帯電話の電磁波については、まだ科学的な実証は不十分だが、脳腫瘍の原因になるとの説がある。
運転中に手をハンドルから離さないために、イヤホンを使う人々が増え、専用キットの売れ行きが伸びている。2000.4.5 電波新聞より。
「杉並病」 都清掃施設から発生した硫化水素が原因 調査委が認める
東京都杉並区の都清掃局の不燃ゴミ圧縮施設「杉並中継所」の周辺住民約200人が1996年2月の操業開始直後から、のどや目の痛みなどを訴えている「杉並病」の原因を調査していた東京都の「杉並中継所周辺環境問題調査委員会」は、「下水道に放流された中継所の汚水から大量の硫化水素が発生した可能性が高い」と結論付けた。都はこれまで、中継所と健康被害は無関係と主張してきたが、同委員会が因果関係を認めたことで今後の行政対応に大きく影響しそうだ。
問題の汚水は、中継所内で、舞い上がる粉塵を抑えるためにまいたり、圧縮機などの設備を洗浄したもので、貯水槽にためた後、まとめて下水道に流していた。硫化水素は硫黄と水素の化合物で、10ppm程度で目がちらつくなどの異常が生じ、濃度が高くなると、頭痛や呼吸障害を引き起こすと言われている。同委員会が操業当初と同じ条件下で実験を行った結果、硫化水素濃度が340ppmに急上昇した。
また、隣接する区立井草森公園で添え木に使用された防腐剤「クレオソート」が気化した影響も考えられる、とした。2000.3.25 読売新聞、日本経済新聞より。
加工食品のアレルギー物質 厚生省が表示義務化へ
2001年4月からの実施を目指す。食物アレルギーに悩む消費者は今後、自分の症状に応じた加工食品選びが可能になる。対象の原材料については今後詰めるが@アレルギー物質が含まれることが明確A血圧低下、呼吸困難など重い健康被害を引き起こすB年1回以上健康被害を引き起こす事例がある、などが条件。牛乳、卵のほか魚、甲殻類、ピーナツなどが考えられる。原材料の含有量にかかわらず表示が必要とした。表示を義務づけられる加工食品は、外見上食品中のアレルギー物質の有無を判断しにくいすべての「容器包装された加工食品」とした。2000.3.21 日経流通新聞より。
ディーゼル排ガス微粒子から新型環境ホルモン発見
ディーゼル排ガスの微粒子に、これまで知られていなかった作用を示す内分泌かく乱化学物質(環境ホルモン)が含まれていることを東京理科大学の研究グループが突き止めた。マウスにディーゼル排ガスを吸わせると精巣に異変が起きることを発見し、精巣の細胞を使ってどうして異変が起きるのかその仕組みを調べた。細胞の培養液にごく微量のディーゼル排ガス微粒子を加えると、女性ホルモンや男性ホルモンと結合する受容体と呼ばれるたんぱく質の生産が著しく抑制されることがわかった。
ディーゼルの排ガス微粒子には千種類以上の化学物質が含まれ、ぜんそくや肺ガンなどの原因物質として注目されているが、新たに人体への影響が判明したことで、早急な排ガス規制が必要と思われる。2000.3.20 日本経済新聞より。
京大と岐阜薬科大 ぜんそくの仕組み解明 新薬に応用も
京都大学と岐阜薬科大学は共同で、アレルギー性ぜんそくが起きる仕組みを解明した。マウスを使った実験でぜんそくを引き起こす物質を突き止めた。この物質は花粉症や鼻炎など他のアレルギー性の病気にも関係しているとみられる。ぜんそくを含めアレルギー性疾患の症状を抑える新薬の開発に役立ちそうだ。研究の成果は米科学誌「サイエンス」の最新号に発表した。2000.3.20 日本経済新聞より。
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